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あなたの言いたいこと

Vol.213/2015/10

今号は、スポーツについての投稿を2つお届けします。

「フッティー」

 オーストラリアに来て、一番ハマッタのが「フッティー」です。正式名称は、Australian Football League(AFL)です。オーストラリア発祥のスポーツで、オーストラリアでは国技的なスポーツです。自分はパースにいるので、パースのチームを応援しています。『West Coast Eagles』と『Fremantle Dockers』です。

 まず、何が観ていて楽しいかって、とにかくフィジカルコンタクトが“かなり”あるのに、スピーディーな展開が、他のスポーツと違うからです。例えば、サッカーのように走りますが、ラグビーのようにタックルをしてもOK。でも、そのタックルもラグビーのようにタックルごとでプレーが途切れることも少なく、すぐに展開が始まり、バスケットボールのようにドリブルや、バレーボールのようにジャンプして、拳でボールを叩くこともできます。でも、バスケットやバレーボールではタックルはできないので、タックルできるフッティーでは、ドリブルやジャンプをそこまで自由にすることはできません。
 正直、なんて説明したらいいのかわかりませんが、そもそも、オーストラリアが発祥で、競技人口のほとんどはオーストラリアなので、知らない日本人には想像し難い代物です。体格のいい“オージー”がバンバン、ボディーコンタクトして、でもスピーディーにゴールを目指す試合展開は、目が離せなくなります。

 それと、驚きなのが、観客が毎試合3万人以上、スタジアムに詰め掛けます。パースの『West Coast Eagles』は一試合あたり平均約3万5千人、『Fremantle Dockers』も約3万2千人がスタンドを埋め尽くします。例えば、日本の2014年のJリーグでは、浦和レッズが一試合あたり平均約3万5千人の観客を収容していますが、それ以外は2万人前後で、少ないところでは1万人を切るチームもあります。単純に、オーストラリアの人口が2,300万人しかいないことを考えて、人口比率的にも、いかにフッティーがオーストラリア人の間に根付いているかがわかると思います。

 前置きが長くなりましたが、応援していた『West Coast Eagles』と『Fremantle Dockers』が、今シーズンは好成績を残しました。レギュラーシーズンでは『Fremantle Dockers』が1位、『West Coast Eagles』は2位で終え、ファイナルシリーズでも共に勝ち進み、あわや両チームの決勝戦(Grand Final)か、と思われましたが、チャンピオン戦への切符は『West Coast Eagles』だけが手にしました。そして、2006年以来のチャンピンの座をかけて戦った決勝戦ですが、残念ながら『West Coast Eagles』は惨敗。
 ただ朗報は、シーズンで最も活躍した選手が受賞する「Brownlow Medal」に『Fremantle Dockers』のスター選手、Nat Fyfeが選ばれました。昨シーズンは『West Coast Eagles』のMatt Priddis選手が受賞していますので、今後数年は、彼らを中心にまだまだパースの両チームが活躍し続けられそうです。

  最後に、このオーストラリアの国民的スポーツの冠スポンサーが誰か、ご存知ですか?実は、日本の会社です!2004年から「TOYOTA」が冠スポンサーとなっています。こんな楽しいスポーツをぜひ日本の皆さんに紹介したく、投稿しました。

<投稿者>たけお 33歳 男性




「感動をありがとう」

 朝、起きたらホスト・ファザーが抱き付いてきた。何を言っているか最初はわからなかったけど、「Congratulations」だけは聞き取れた。その後も、とにかく興奮しながら何かしゃべっていた。途中で「Rugby」という単語で、「あれ?」と思った。「Japan.....win???」と聞いたら、「Yes!!!!」と。

 9月19日の夜中に試合が始まった。ラグビーのW杯、イングランド大会の日本代表の初戦。相手は、南アフリカ代表。ラグビーの超強豪国。19日の昼間に語学学校のラウンジ・ルームのテレビで、開幕戦のイングランド代表対フィジー代表のハイライトがやっていた。それを観ながら、日本代表は今晩だな、と思っていた。でも、勝敗は決まっていると決め付けていた。

 とにかく、ホストファザーの興奮振りは凄かった。その姿を見ていて、徐々に“日本はやったんだ”と実感が湧いてきた。一年前まで高校のラグビー部員だった。最後はケガで満足にプレーできなかった。部活を引退して、それからはあえてラグビーから遠ざかってきた。でも、ホストファザーが少し落ち着いて、戦況を話し始めた頃から、なんでか涙が溢れ出てきた。同じくラグビー超強豪国のオーストラリアの、オーストラリア人に日本のラグビーが認められたような気持ちになっていたのかもしれない。日本を離れて6ヶ月が経つ。日本を外から見て、初めて感じた不思議な気持ちだった。これが、“誇り”というものなのかもしれない。

 次の試合のスコットランド戦は負けた。でも、3試合目のサモア戦は圧勝だった。南アフリカ戦がまぐれの勝利ではなかったことを世界に証明した。そして、残すはアメリカ戦。メディアでは、ベスト8への進出をしきりに打算している。でも、それは重要なことではないと思う。アメリカ戦でまた日本のラグビーができれば、それで十分だと思う。

 ラグビー大国から観た、日本代表のラグビー。初戦は見逃したけど、2、3戦はじっくり観戦した。心から「感動をありがとう」と言いたい。

<投稿者>Ryu 19歳 男性