Japan Australia Information Link Media パースエクスプレス

 

あなたの言いたいこと

Vol.184/2013/5

今回は、4名の方からの投稿を紹介します。

「言いたいことが言えない」


 どこの夫婦でも、面と向かって言いたいことがあっても、なかなか言えないもの。その言えないことをもし言ってしまえば、関係がどうなるかが簡単に想像つくから言えない。でも、ひと思いに言ってしまいたいという衝動に駆られることもあるはず。そんな衝動を我慢して、我慢して、積もり重なって、妻とは離婚しました。

 離婚の原因は、いっぱいありました。でも、妻には「あなたの靴の履き方が嫌でした」と言いました。冗談みないな話ですが、本当です。両足ちゃんと履いてから立ち上がればいいのに、履いている最中に立ち上がり、片足をケンケンしながらつま先で地面を叩いている仕草が、気に入らなかったんです。吐き気がしました。自分でもわかってますが、実際にはどんな仕草でも、または笑顔でも、寝顔でも、真顔でも、何でもよかったでしょう。とにかく、我慢していたものが吹き出て、その吹き出たモノがちょうどその仕草の上に乗っかったようなものです。

 我慢していたものというのも、今思えば、我慢に値するほどのものではなかったかもしれません。でも、あの時は許せなかった。優柔不断で、自分で決められないイライラを八つ当たりして、間違えた判断は人のせいにする。長いものにすぐに巻かれ、他から影響されていることへの自覚症状はゼロ。かといえば、他とは違うことに興味をもっている振りをして、違いで優越感を感じても、中身は空っぽ。自分を支えているものは、少しばかりの美貌と学歴。そんな女と結婚した自分も自分でしたけど。
 それで、家でもそうでしたが、会社でも同じでした。理屈に通らないことでも、上司の「そうなんだから」と言われてしまえば、言いたいことは言えませんでした。何が「そうなのか」も聞けず、聞けば自分の居場所がどうなるか想像付いたので、突っ込みませんでした。
しかし、あの上司は最低でした。何かと言えば、学歴の話をもち出し、部下について「○○は◇◇大学出身でだけど、□□は××大学だから」と出身校で人の価値を決め、取引先も大手が大好きで、中小企業はゴミ扱い。身に付けるものも、自分のセンスがないことを棚に上げ、ブランド品ばかり。当然、似合ってはいないけど、周りは誰もそんなことは言えない。部下には上司ずらするけど、所詮、中間管理職。自分より上の者と部下同席の場で、部下にちょっといいところを見せようと、上司に物申しても、結果的に「俺があんなに言ってもわからない。頭の固いヤツだ。しかし、会社っていうものはそんなものだ」とかいって、自分の意見が通ったためしがない。

 そんな上司と仕事をして、家に帰れば、そんな妻がいた。なので、離婚して、退職して、オーストラリアに新境地を求めたのが、5年前。そして、オーストラリア人と結婚して、3年が経ちました。同じことは、二度と繰り返さない、と心に決めた再婚でした。でも、一度逃げ出したことは、克服していない限り、繰り返されるんですね。
 「言うことは何でも言って、溜めない。コミュニケーションを取って、円滑に事を進める」ということはわかっていたんですが、英語だからもっと言えないこともあって、今はあの頃の状況に近づいてきています。自分は社会生活が送れない人間なのか…。「言いたいことが言えない」のは、自分が悪いのか…。それともそういう社会なのか…。ならば、自分が成長しきれていないということなのか…。もしそうなら、あの上司は良い人だったのか…。日本人の妻と別れる必要はなかったのか…、と頭を悩ませています。

雨の多い季節となり、ただでさえ気が滅入るのに、このままだと自分を失いそうです。

<投稿者>匿名希望 36歳 男性


「家族」


 身内の恥をこんなところで言う必要もないと思うけど、同じ問題を抱えている人もいると思うので、思いきって投稿します。

 2人目を身ごもった妊娠中の時のことでした。夫が不倫したんです。相手は、シェアで入れていた日本人の女の子でした。度々、上の息子と「遊びに行く」と言って外に出て行ったと思いきや、子どもは私の義理の両親(夫の両親)に預け、自分はその女の子と遊んでいたようです。義理の両親は、実は息子のその行動を薄々感ずいていたようですが、見て見ぬ振りをしていたのでしょう。もちろん、私にも言いませんでした。

 その不倫相手の女の子は、私たち寝室の隣の部屋を使っていました。他にも2人、シェアを入れて、その2人は離れに住まわせていました。なので、離れの2人はあまり顔を合わせることがなかったですが、その不倫相手の子は毎日、挨拶を交わし、一番気心知れ、私も心を開いていた子でした。そんな子が、私の目を盗んで、夫と密会していたと思うと、もう言葉がありませんでした。

 オージーの夫は、私と会う前から、アジアの子ばかりとお付き合いし、アジアの子が大好きだったようです。私と知り合い、“私だけは特別”と言ってくれ、その言葉を信じて、結婚しました。すぐに上の子ができ、2人だけの時間はあまりありませんでしたが、私なりに幸せでした。でも、今回の一件ですが、実は「あれ?」と思うことあったんです。その「あれ?」をもっと注意深く気にしていれば、とつくづく思います。

(次ページへ続く)