この原稿を前もって読んだ人の中に、私の家族がその後どういう運命を辿ったのかを読者は知りたがるだろうと指摘した人がいた。けれど、物語はここで完結したと私は考える。これは自叙伝ではない。個人的に経験したことではなく、ある集団が経験したことを語りながら、私自身の回想を通して私の家族のみならず他の多くの家族にも共通する体験を伝えようとしたのだ。開拓者の多くはその物語と共に沈黙の世界へと旅立ってしまったが、その子供達は南西部での厳しい日々を今でも懐かしく憶えている。
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それでもまだ好奇心が満たされない読者のために少し付け加えると、私の両親はその後40年以上生き、オーストラリアに移住したことでイギリスでは体験できない機会を子供たちに与えるという主な目的が達成できたことを知り、満足してこの世を去った。父は後年老人病を患ったが、母は最期まで達者で信仰が厚く、この世を去る数日前に私に、碑文にはこう書くよう言い残した。「聖なる愛は永遠に続く」と。
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