10月30日(金曜日)、マーク・マガウワン西オーストラリア州首相は会見を行い、11月14日(土曜日)より豪州国内の他州から西オーストラリア州への入州を制限付きで許可すると発表した。
10月8日、西オーストラリア州は州内の予算を発表するにあたって、同州財務省は新型コロナウイルス感染の現状についても触れ、州境閉鎖を2021年3月まで継続する可能性が高いと示唆していた。
また、10月23日に開かれた連邦政府との国家内閣では、5つの州と首都特別地域、そして準州の7つの地域で2020年のクリスマス前までには各州境を開くことに合意したが、ただ唯一、西オーストラリア州だけは州境閉鎖解除を拒否していた。
しかし、それ以降、連邦政府を筆頭に世論の再開要請が強まり、そのプレッシャーにて西オーストラリア州政府も閉鎖解除について検討すると10月29日に延べていた。そして、翌日の30日、事態は急変して、予てから「州境閉鎖解除には全豪で28日間連続して市中感染がないことが目安になる」と公言していた西オーストラリア州政府だが、実際にその指標に達することなく州境閉鎖の解除に踏み切ることを発表した。
以下は、州境閉鎖解除後の入州の条件となる。
—————————————–
・ パース空港に到着する全ての人は、到着時に健康診断と体温チェックを受け、必要に応じて新型コロナウイルステストが実施される。
・ パース空港に到着する全ての旅行者は、西オーストラリア州に到着する前に新型コロナウイルスの症状がなく、過去14日間にどの地域にいたかなど「G2G PASS」に宣誓する必要がある。
・ 「極めて低リスク」と指定されているタスマニア州、南オーストラリア州、クイーンズランド州、ノーザンテリトリー準州、オーストラリア首都特別地域から到着した場合は、検疫を行わずに(健康診断と体温チェック、「G2G PASS」宣誓などは必要)入州できる(「極めて低リスク」とは過去28日間に市中感染の症例がなかった地域)。
・ 「低リスク」と指定されているニューサウスウェールズ州とビクトリア州は到着後、14日間の自主隔離を行い、到着時と11日目に2回の新型コロナウイルス検査をする必要がある(「低リスク」とは過去14日間に新しい市中感染の症例が平均5人未満である地域)。
・ 国内ではなく海外からの到着は、引き続きホテルでの14日間の検疫が必要で、西オーストラリア州はニュージーランドとの「Travel Bubble with New Zealand(ニュージーランドとのトラベルバブル)」には合意していないが、他州から到着するニュージーランドの旅行者はホテルではなく、選択した敷地内での14日間の自主隔離での入州が許可される。
・ これらの条件に従わなかったり、虚偽の情報を提供した場合、1,000豪ドルから最大50,000豪ドルの罰金が科せられる。
※陸路での到着の場合は、州境でそれぞれ行われる。
<西オーストラリア州政府から発表となった州境閉鎖解除に際しての入州条件事項>
—————————————–
上記発表に際し、マガウワン西オーストラリア州首相は「州境開閉については、常に専門家の健康に関するアドバイスに基づいており、そのアドバイスに従ってきた。今までは州境閉鎖が最善のウイルス防御策であり、世界でも誇れる対応策だと思っている。しかし、州境の閉鎖によって一部の企業や州民に不満やストレスをもたらしたことは理解しており、州民の理解と忍耐に感謝している。ただ今後、他州で感染のケースが急増した場合、再び州境を閉鎖することも躊躇しない考えである」と述べた。
そして、ロジャー・クック西オーストラリア州保健相は「西オーストラリア州民が再びソーシャルディスタンスを念頭に行動していくことが重要である」と強調した。
オーストラリア史上初めての州境閉鎖を西オーストラリア州は4月5日に行った。そして、今回のこの発表はその閉鎖を解除するといった大きな施策となる。ただ、7月に2回目のロックダウンに陥ったビクトリア州のウイルス感染者数急増といった前例を教訓として活かせるか、西オーストラリア州政府、そして州民に突きつけられる課題となるだろう。
(情報元:西豪州首相会見記録/10月30日)
関連記事:更新日:6月23日(火)▶6月27日から西豪州の緩和措置が第4段階へ
関連記事:更新日:5月29日(月)▶西豪州の制限緩和が6月6日から第3段階へ
関連記事:更新日:5月11日(月)▶西豪州の規制緩和5月18日から第2段階へ
関連記事:更新日:4月27日(月)▶一部規制緩和によって10人までで可能になったこと
関連記事:更新日:4月26日(日)▶集会の制限一部緩和。10人まで可能に
関連記事:更新日:3月30日(月)▶家族以外の集会は2人まで
関連記事:更新日:3月22日(日)▶レストランやカフェ閉鎖。テイクアウェイ営業のみ。