パースエクスプレス Vol.215 2015年12月号
今季はスタートダッシュに失敗したグローリー。早い段階で巻き返しなるか?!
アウェイでのBrisbane Roarとの試合は、前半からRoarに一方的に攻められる展開となった。防戦一方のグローリーはGKの背番号1番、Ante Covicを軸に守備を固め、反撃の機会をうかがう。後半に入るとマーキープレーヤーの背番号17番、Diego Castroと背番号23番、Michael Thwaiteを中心に攻撃の機会を増やしていったグローリーだが、拮抗した試合が動いたのは後半29分、GKのCovicが蹴ったゴールキックをRoarは奪い、すぐさま前線に送ると最後は背番号10番、HenriqueがDFと競り合いながらもGKの頭上を越えるループシュートを放つ。これが鮮やかに決まり、Roarが先制した。追いつきたいグローリーは、積極的に仕掛けるも1点が遠く、試合終了。ここまでアウェイでの試合は0勝4敗と調子を取り戻せないでいる。
ホームで行なわれたSydney FCとの一戦は、厳しい暑さの中での戦いになった。グローリーは前半、背番号11番のRichard Garcia、オーストラリア代表でも活躍する背番号19番、Joshua Risdonを中心にチャンスを作るも、ゴールが決まらず、そのまま試合を折り返す。後半も一進一退の攻防が繰り広げられ、途中で水分補給のためのウォーター・ブレイクが設けられるも、気温34度、恐らく40度以上のピッチ内では両チーム共に精彩を欠いた。グローリーは後半、スピードのある背番号14番、Chris Haroldを投入。果敢にゴールの前に走り込み、チャンスを演出するHaroldだがゴールには結びつかなかった。灼熱のピッチでの両チームの奮闘もむなしく、試合はスコアレスドローとなった。試合後、脱水症状を訴えたり、極度に体重が減った選手がいるとの報告が上がり、記者会見ではSydney FCのGraham Arnold監督からは、試合開始の時間に対する疑問が投げかけられた。
今年のFFAカップ準決勝で勝利したMelbourne Cityとの一戦。試合は前半6分、Cityの背番号8番、Aaron Mooyのフリーキックに背番号6番、Erik Paartaluが頭で合わせてCityが先制する。これで勢いに乗ったCityは前半19分、右サイドでボールを受けたMooyがクロスを上げると、背番号4番のConnor Chapmanがヘディングで押し込んで2点目を入れる。前半35分にはMooyが蹴ったロングパスに背番号7番、Corey Gameiroが抜け出し、最後は中央でボールを受けた背番号23番、Bruno Fornaroliが冷静に決めて3点目。グローリーは前半ロスタイムに背番号16番、Sidnei Sciolaのゴールで1点を返すも、その後も防戦一方。後半8分にはグローリーのクリアミスをCityの背番号9番、Harry Novilloがペナルティエリア外から豪快に叩き込み、4点目。試合終了間際にもPKを献上し、この日絶好調のMooyが決めて5点目。勝てない今シーズンのグローリーを象徴する試合となった。
未だにアウェイでの勝利がないグローリーは、Round 8の時点での最下位、Adelaide Unitedと対戦した。今季、唯一勝利している相手だけにこの試合も勝利の期待が高まったが、試合は開始早々の2分、Adelaide Unitedの背番号2番、Michael Marroneの右サイドからのパスに背番号7番、Pablo Sanchezが抜け出してグローリーのディフェンスをかわし、最後はGKの背番号1番、Ante Covicとの1対1を落ち着いて決め、早くもAdelaide Unitedが先制する。その後も追加点を狙うAdelaide Unitedの攻撃をグローリーの守護神、Covicが好セーブで食い止める。反撃したいグローリーは、背番号17番、Diego Castroのパスに背番号16番、Sidnei Sciolaが反応し、ゴール前へ。決定的なチャンスを迎えるも、Adelaide Unitedの堅守にあと一つのところでゴールは奪えなかった。その後、決定的なチャンスを生み出せなかったグローリーは0−1のまま、またしてもアウェイでの負けを喫した。ここまで今季のリーグ戦は1勝6敗1引き分けと、一試合少ないながらもこの試合の結果でグローリーは最下位に沈んだ。
(左写真)今試合では、乳癌予防の啓発キャンペーンの一環で、ピンクのラインが使われた。
(写真中央)豪州代表戦から戻った直後の試合ともあって、疲労は隠せなかった背番号19番のJoshua Risdon。
(右写真)相手のマークを振り切ってシュートを放つ背番号11番のRichard Garcia。
(左写真)素早い仕掛けから積極的にゴールを狙う背番号14番のChris Harold。
(写真中央)猛暑の中での試合を終え、記者会見でも水を飲むグローリーの監督、Kenny Lowe。
(右写真)Sydney FCのGraham Arnold監督は、厳しい表情で試合開始時間について異論を唱えた。
ニュース
Aリーグの試合中にサポーターが応援をボイコット
事の発端は11月21日付の豪紙「ディリーテレグラフ」によって現在、スタジアムへの出入り禁止となっているAリーグクラブのサポーター198名の顔写真、個人情報等々を無断で掲載されたことだった。これにより各クラブやフットボールメディア関係者、元代表選手が、ファンやサポーターを擁護する立場を明確にする中、反応を見せなかったFFA(オーストラリアサッカー連盟)やAリーグに対して、ファンが不満を募らせ、応援している試合の途中退席などのボイコットを行なわれた。
第2回FFAカップ決勝戦。昨年に続き決勝進出となったグローリーは、今年もアウェイでの戦いとなった。試合は前半からMelbourne Victoryのペース。前半35分にグローリーのクリアミスをVictoryの背番号13番、Oliver Bozanicのシュートで先制すると、その7分後にも縦パス一本に背番号8番のBesart Berishaが強烈なミドルシュートで追加点を奪う。後半の巻き返しに期待がかかるグローリーだったが、VictoryのGKで昨シーズンまでグローリーのユニフォームを着ていた背番号1番、Danny Vukovicの好セーブの前にゴールを割ることができない。相手選手の退場もあり数的有利の状況を得るも、最後までゴールが奪えず、無念のホイッスル。2年連続で準優勝という悔しい結果に終わった。
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