パースエクスプレス Vol.208 2015年5月号
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本誌先月号(vol.207)では、パースグローリーがオーストラリア・サッカー協会(FFA)から選手給与規定違反による「リーグ戦順位降格」や「ファイナルシリーズ出場権剥奪」、「罰金」について言い渡され、その発表に対して差し止め請求を西オーストラリア州最高裁判所に提出したところまでお伝えした。その後のいきさつは、以下となる。 |
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グローリーの2014−15シーズン、ホーム最終試合だったMelbourne City戦後の記者会見にて。試合には勝ったものの、選手給与規定違反による処分についての質問には、力なく応えていたグローリーの監督、Kenny Lowe(写真左)。 |
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4月10日(金)、西オーストラリア州最高裁判所にFFA発表の差し止め請求を提出したグローリーは、13日(月)にFFAからの提案によって提出した請求を一度保留させ、シドニーにて15日(水)、FFAとの聴聞に取り合った。当初、グローリーとしては処分の撤回要求が目的だったが、その聴聞において更なる給与申請の報告漏れをFFAから指摘され、追い討ちをかけられることになった。 |
選手給与規定違反を受け入れ、降格が決定した今シーズンのホーム最終戦は、最少の5,821人の観客数を記録し、空席が目立った。前半は、Melbourne Cityが押し気味に試合を展開するも、前半42分に背番号20番のDaniel De Silvaが相手DFラインの裏を突いたパスを、背番号15番のJamie Maclarenがゴール右隅に決めて先制点を奪う。そして、前半終了直前の前半44分にMelbourne Cityの背番号18番、Paulo RetreがSilva、さらに、その1分後に背番号28番のDenis Kramarを倒したとして、2枚目のイエローカードを受け、退場処分となった。むかえた後半、一人少ないMelbourne Cityは、FKのチャンスを背番号6番のAaron Mooyが壁を越えた見事な曲線を描くシュートで同点とする。しかし、後半20分、Melbourne City のGK、背番号20番の元グローリーのTando Velaphiと交錯したSilvaのこぼれ球をMaclarenがゴールに押し込み、2点目を決める。さらに、試合終了間際、途中出場の背番号14番のChris Haroldからのアシストにより、Maclarenはその日3点目を決め、相手の息の根を止めた。Maclarenにとって、グローリーで初のハットトリックとなった。
(写真左)背番号20番のDaniel De Silvaのお膳立てで、背番号15番のJamie Maclarenがこの試合のファースト・ゴールを決める。 (写真右)Melbourne Cityの背番号6番、Aaron Mooyの蹴ったFKは鋭い軌道を描き、ゴール左上隅に吸い込まれた。
(写真左)Melbourne City のGK、背番号20番のTando Velaphiに一度は止められたが、Maclarenが詰めてゴールイン。 (写真中央)試合終了3分前に、背番号14番のChris HaroldのクロスでMaclarenがその日、3点目を獲得。 (写真右)3本の指を立てて、ハットトリックをHarold と喜ぶMaclaren。
(写真左)ホームでの最終戦が終わった。勝利したものの複雑な心境を表情に浮かべる選手と監督。 (写真中央)笑顔も少なく、グラウンドを後にする監督のKenny Lowe。 (写真右)無念を抱いて試合後、ファンの子どもたちの握手に応じる選手たち。
シーズン最後の試合は、アジアクラブ王者のWestern Sydney Wanderersとのアウェイ戦。前半17分、背番号5番のRostyn Griffithsからの相手DFの裏に抜けるスルーパスを、背番号15番のJamie Maclarenがきっちり決める。しかし、後半8分にWanderersの背番号36番、Liam Youlleyのクロス気味のボールがそのままゴールに吸い込まれ、同点に。そして迎えた後半21分、背番号19番のJoshua Risdonの突破から背番号9番のAndy Keoghが左足で見事にカーブを描いたシュートでサイドネットを揺らした。この試合、Wanderersの背番号3番の田中裕介と背番号10番の高萩洋次郎は共にベンチ外だった。これによりWanderersは、勝ち点18の8位と、調子を戻すことなくシーズンを終えた。
約6ヶ月に渡るリーグ戦は終了し、
グローリーの最終順位は7位となった。
2014年10月12日に開幕したAリーグ2014−15シーズン。グローリーにとって初戦の勝利から5試合で4勝1敗として、リーグ1位に上り、それからRound 20までの16週間連続で1位をキープした。しかし、2015年に入ってから続く不調のため勝ち点を食いつぶし、ついにRound 21で4位へと降格するも、Round 24 で2位にまで返り咲いた。クラブ史上初のリーグ1位を目指すグローリーにとって、残り3試合の勝利は、絶対条件だった。そして、Round 25が行なわれる同日の1pm(試合開始は7:45pm)、オーストラリア・サッカー協会からの選手給与規定違反の発表で全てのシナリオが崩れ去った。リーグ27試合を終え、勝ち点50で3位(Sydney FCも同点だったが得失点差で3位)だったが、ファイナルシリーズ出場権剥奪の降格命令により最終順位は7位となった。
リーグ戦最終順位上位6チームで競うファイナルシリーズ。今シーズンは、グローリーのファイナルシリーズ出場権剥奪の降格命令によって7位だったBrisbane Roarが6位へと繰り上がり、最終順位は1位のMelbourne Victory、2位Sydney FC、3位Adelaide United、4位Wellington Phoenix、5位Melbourne Cityとなった。そして、5月1日より始まったファイナルシリーズの結果をふまえ、17日に今シーズンのGrand Finalが行なわれる。その2チームは、2006−07と2008−09のファイナルシリーズ覇者のMelbourne Victory (リーグ1位)と、2009−10ファイナルシリーズ覇者、Sydney FC(リーグ2位)となった。
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