パースエクスプレス Vol.195 2014年4月号
2013−14シーズンのリーグ戦も残り5試合。なかなか結果が出せない苦しい状況の中、果たしてグローリーは最下位脱出の糸口をつかめるのか?!(写真:Ryo Kuramochi)
前ラウンドの引き分けにより、4連敗を止めたが、崖っぷちの戦いが続く中、行なわれたホームゲーム。グローリーは前半27分にCKから相手のオウンゴールを誘い、ラッキーな形で先制するが、その10分後にMelbourne Victoryのキャプテンで、オーストラリア代表でもある背番号5番、Mark MilliganにPKを決められ同点とされてしまう。後半は優勢に戦ったグローリーだったが、終了間際にワンチャンスをものにされ逆転負け。最下位脱出はならず、メディアでは多々“監督の進退”について報じられている中、グローリーの監督、Kenny Loweにとっても痛恨の敗戦となった。
(下写真)試合前、整列する両チームの選手達。(上写真)試合後の記者会見で感情的な受け答えが目立ったKenny Lowe監督。
ここ2試合の対戦は連敗中の相手、Western Sydney Wanderersとのアウェイゲーム。前半終了間際に先制を許すと、後半15分にもあっさり追加点を決められてしまう。32分にはWanderers背番号21番、小野伸二の絶妙なスルーパスを起点に3点目を奪われ、試合終了。この試合、グローリーはほとんど見せ場がなく、今季のWanderers戦全3試合は、全敗に終った。
今シーズン最少の5,837人の観客数を記録し、空席が目立つ中での一戦は、両チーム拮抗した内容で前半を終える。しかし、後半は一気に試合が動く。20分に失点し、後がなくなったグローリーは、終了10分前に背番号8番のNebojsa Marinkovicが見事なFKを決め、同点に追いつく。その2分後、背番号17番のChris Haroldがクロスボールを頭で合わせ逆転ゴールを決める。薄氷の勝利は、この日、何度も天を仰ぎながらゲームを指揮した監督のKenny Loweを一安心させ、首の皮を一枚繋げる結果となった。
(上左写真)空席が目立ったこの日のnib Stadium。(上右写真)試合中、幾度となく頭を抱えるKenny Lowe監督。(下写真)ヘディングで決勝点を挙げた背番号17番のChris Harold選手。
4月4日に今季限りでの引退を表明したグローリーのキャプテン、背番号7番のJacob Burnsのホーム最終戦となったこの日、スタジアムには1万人を越す観客が訪れた。元オーストラリア代表で、2009年には日本代表戦での出場経験もあるBurnsは5シーズン、グローリーでプレーし、多くのサポーターに愛された。試合は開始早々、そのBurnsが倒されて得たPKを背番号14番のSteven McGarryが決め、先制する。直後にはまたもBurnsが、今度は相手選手に対するファウルでPKを与えてしまい、同点に追いつかれる。だが、後半は背番号19番のSidnei Sciola Moraesのヘディングシュートで、まずは勝ち越し。そしてAリーグ在籍選手では最高額にてイタリアのASローマに移籍間近と言われている背番号20番のDanny De Silvaが起点となり、ここでもBurnsのパスがオウンゴールを誘い、グローリーの勝利が確実なものとなった。この勝ち星によってようやく最下位脱出に成功し、Burnsのホーム最終戦にも華を添えた。
【写真1段目、2段目左】現役引退を決め、特別な思いで入場するJacob Burns選手と円陣を組むチームメート。
【写真2段目右】ホームでの雄姿はこれが最後となる。
【写真3段目左】試合後、駆け寄る自身の3人の子ども達。
【写真3段目右、4段目】サポーターに感謝の気持ちを伝え、オーナーのTony Sage氏と抱擁を交わす。
— トップへ戻る —