Vol.195/2014/04
経済指標が貧困を示す国であっても、もちろん富裕層もいるし、人が生活するからにはゴミは出る。そんなゴミに生活の糧を見いだす人びとの暮らしもある(ニカラグア)。
そこで、だ。先住民族の側は、どのような抵抗闘争を始めるのだろうか。まさに軍政下に生きる人びとが、軍政に抗ってきた様子を思い起こさせるものであった。今度の抵抗は、座り込みやデモなどの、単純な抵抗運動ではないようにも思えた。その証拠に、彼らは「先住民」としてではなく「先住民族」として立ち上がったからである。英語で書き表すと、“indigenous peoples”であって、“indigenous people”ではない。
単に people に“s”がついているだけであるが、これは大きな違いなのである。実はそういうこともキチンと調べないと知らなかった(ここでは詳しく立ち入らないが、“s”がつくことで「先住民族」は権利の主体となることができる、とだけ説明しておきたい)。
「軍事政権下で生きる人びと」「先住民族の抵抗運動」さらには「貧富の差の拡大—世界を覆う貧困」。 これらを中心にして世界を見ていこうと決めた。これが私の取材の基準となったのである。
(続く)