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フォトジャーナリスト宇田有三氏による衝撃ルポ

On The Road by.Yuzo Uda
Vol.183/2013/04

「ビルマ(ミャンマー)の「ロヒンジャ問題」を手がかりにして(7)」


イスラームのムガ(ー)ル帝国最後の皇帝は、ビルマ(ミャンマー)で息を引き取った

イスラームのムガ(ー)ル帝国最後の皇帝は、ビルマ(ミャンマー)で息を引き取った。ヤンゴン(ラングーン)には彼のお墓がある(インドやパキスタンの首相も訪問している)。



 ロヒンジャがこれまで、どのような迫害を受けてきたのか。それは、アムネスティインターナショナルのレポート『ビルマ(ミャンマー) 少数民族ロヒンジャ:基本的人権の否定』(2004年12月発行)に詳しい。
 では、「ロヒンジャ」とはどのような人びとの集団なのであろうか。イスラーム教を信奉している人びとだということは違いない。だが、彼ら彼女たちが、いつから北ラカイン州北部の、いわゆるマユ地域に住み始めたのか。彼らの出自は歴史的にどう捉えればいいのか、そこにビルマにおけるロヒンジャたちの複雑な問題がある。それは歴史・文化・民族に関わる専門家の領域に入ってしまい、話が複雑になってしまうので、ここでは触れることができない。
 私自身もビルマを歩き回っているうちに、ムスリム人に対する、特にロヒンジャに対する差別があると肌で感じるようになっていった。では、ビルマの多くの人が言う、ロヒンジャはベンガル人だというのなら、そこでのロヒンジャの実態を見てみようと、バングラデシュに飛んでみた。

(続く)