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フォトジャーナリスト宇田有三氏による衝撃ルポ

On The Road by.Yuzo Uda
Vol.177/2012/10

「ビルマ(ミャンマー)の『ロヒンジャ問題』を手がかりにして(2)」


「魂魄の塔」の前には手を合わせる人びと

薄暗くなった青空の隙間に、太陽の赤い輝きを残す頃、チッタゴン丘陵の山の上で、僧侶が仏像に手を合わす。


 ビルマ(ミャンマー)からバングラデシュに逃れたイスラーム系のロヒンジャ集団(Rohyingya)を説明するにあたって、やはりバングラデシュという国の成り立ちを改めて知る必要がある。そこで、『ウィキペディア』を参考にバングラデシュの成り立ちを簡単にまとめてみた。
ちなみに、「ロヒンギャ」とは英語読みで、ロヒンジャ(ー)はビルマ語読みである。



 バングラデシュは、南アジアにある[イスラーム教徒主体の国]で、イギリス連邦加盟国である。首都は、ダッカ。隣接するインドの西ベンガル州とともにベンガル語圏に属し、「バングラデシュ」とはベンガル語で「ベンガル人の国」を意味している。世界で7番目に人口が多い国であり、都市国家を除くと[世界で最も人口密度]が高い。
 現在、バングラデシュと呼ばれる地域には、紀元前4世紀のマウリヤ朝から6世紀のグプタ朝まで数々の王朝の属領であった。仏教寺院からは紀元前7世紀には文明が存在したとされ、[初期の文明は仏教および(あるいはまたは)ヒンドゥー教]の影響を受けていた。 13世紀にイスラーム教化が始まった。16世紀にはムガル帝国の元で、商工業の中心地へと発展した。15世紀末にはヨーロッパの貿易商人が訪れるようになり、18世紀末にイギリスの東インド会社により植民地化された。