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パースエクスプレスVol.193 2014年2月号

≫ オーストラリア・日本両政府からの新年のご挨拶

≫ 幻想的な音と色のコラボレーション

≫ “水上のコンペティション”日本のトップスイマーがパースで躍動


 社 会
 

4年に1度の祭典 ソチ冬季五輪開幕

ソチ冬季五輪は2月7日、ロシア南部の当地で開幕した。今大会には冬季史上最多の87カ国・地域などから約2870選手が出場し、7競技98種目を実施される。日本選手団は、海外での冬季大会最多の113選手、オーストラリアからも60人の選手が参加する。

 開会式セレモニーでは、五輪の「五つの輪」のうち、右上の一つが開かないハプニングや、国としての参加資格を停止されているインドの3選手が国旗ではなく五輪旗の下で行進し、また中国選手団が選手入場で渋滞を引き起こし、係員に行進を促される一幕があったものの、ロシアのプーチン大統領が開会を宣言し、冬の祭典が始まった。
 日本人注目選手として、フリースタイルスキー・女子モーグルの上村愛子選手は健闘するも4位に終わり、5度目の五輪でも悲願のメダルには届かなかった。また、7大会連続出場のノルディックスキー・ジャンプ男子ノーマルヒルに出場した葛西紀明選手は惜しくも8位と入賞止まりで、15日に行われる男子ラージヒルでメダルを狙う。また、スピードスケート・男子500mでは、前回大会の銅メダルの加藤条治選手が5位、銀メダルの長島圭一郎選手は6位と両者2大会連続のメダル獲得はならなかった。そして、ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅選手は、金メダル最有力候補とされていたが、4位に終わった。しかし、スノーボード・男子ハーフパイプでは、平野歩夢選手が銀メダルを獲得して、冬季五輪の日本勢では史上最年少のメダリストとなり、日本に待望の今大会初のメダルをもたらした。また、同種目で平岡卓選手も銅メダルに輝く。

主な日本人&オーストラリア人選手競技結果

【2月8日】
●フリースタイルスキー・女子モーグル
 上村 愛子 4位/Britt Cox 5位

【2月9日】
●フィギュアスケート新種目・団体アイスダンスFD
 日本 5位
●ルディックスキー・ジャンプ男子ノーマルヒル
 葛西紀明 8位
●スノーボード・女子スロープスタイル
 Torah Bright 7位

【2月10日】
●スピードスケート・男子500m
 加藤 条治 5位/長島 圭一郎 6位
●男子モーグル
 西 伸幸 14位/遠藤 尚 15位

【2月11日】
●スノーボード・男子ハーフパイプ
 平野 歩夢 銀メダル/平岡 卓 銅メダル/Kent Callister 9位
●ノルディックスキー・ジャンプ女子
 高梨 沙羅 4位/伊藤 有希 7位/山田 優梨菜 30位
●スピードスケート・女子500m
 小平 奈緒 5位/辻 麻希 9位/住吉 都 14位
●フリースタイル女子スロープスタイル
 Anna Segal 4位


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 社 会
 

幻想的な音と色のコラボレーション

1月24日〜2月23日に開催されている芸術祭『FRINGE WORLD Festival PERTH WESTRALIA』に出展されているビジュアルアート、「見える(mieru - I can see)」。パース市内のNOODLE PALACEで展示されているその作品は、日本で起きた実話が題材となっている。制作者のJennie Feyenさんに、作品を作るきっかけとなったその実話や思いを伺った。

見える(mieru - I can see)

Jennie Feyenさん

作品の特徴を教えてください。
—この作品は、映画のような速い展開はなく、ゆっくりとリラックスした作品となっています。様々な色も使っているので、見る人によっていろいろな形に見える作品となっています。

なぜこの作品を作ろうと思ったのですか?
—私は音楽を学んでいますが、教えて頂いているアルモニカ奏者の香川千穂さんのお話を聞いたのが、最初のきっかけでした。「彼女の演奏を聞いた盲目の子どもたちが“音を聞いて色が見えた”」という話に心を揺さぶられたのが動機です。また、私のおばも盲目であることも理由の一つですね。

(展覧会初日を向かえて)今の気持ちをお聞かせください。
—見に来て頂いた人がどんな反応をするか楽しみです。見る人によって作品の感じ方が違うと思うので、たくさんの反応を見てみたいです。

最後に、本誌読者にメッセージをお願いします。
—この作品は日本での話を元に作りましたので、多くの日本人の方に、ぜひ見て頂きたいと思います。

展覧期間: 2014年2月5日〜9日、2月12日〜16日
展示場所: Piccadilly Cinema, 700 Hay St. Perth

見える(mieru - I can see)

制作されたビジュアルアートのサイン



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 社 会
 

AQUATIC SUPER SERIES 2014 Perth Western Australia
“水上のコンペティション”
日本のトップスイマーがパースで躍動


昨年の2013年からパースで開催されている『AQUATIC SUPER SERIES』の第2回大会が、1月31日〜2月2日にかけてパースのチャレンジ・スタジアム、スワン川で開催された。競泳、遠泳、水球の3種目が行なわれたこの大会に、日本チームは日本水泳連盟から競泳種目に入江陵介、萩野公介、瀬戸大也、星奈津美選手ら、そして遠泳種目には平井康翔選手など延べ28名もの日本を代表するトップスイマーらがトビウオジャパンとして参戦した。水球種目への日本チームの参加はなかったが、国別対抗でポイントを争う競泳種目においては、地元オーストラリアに次いで5ヶ国中2位という好成績を残した。

スペシャル・インタビュー

日の丸を背負って戦った、5人のアスリート達のレース後のインタビュー。

入江 亮祐選手

オーストラリアでの競技はいかがでしたか?(質問:本誌記者)
パースでの大会は今回が2回目となりますが、気候も暖かくて、気持ちのいい国なので相性は良いです。

パースに住んでいる日本人にメセージを。(質問:本誌記者)
日本の国旗を振ってくれている人がたくさんいて、力をもらいました。住んでいる国は違えど、日本人という絆で今後も応援して頂ければ嬉しいです。


星 奈津美選手

パースは初めてですか?(質問:本誌記者)
はい、初めてです!

パースの印象は?(質問:本誌記者)
あまり街を見れていませんが、大会会場から帰るバスの中で見た街並みや建物がすごく綺麗で、まるで映画のセットのようだなと思いました。ホテルと会場の往復ばかりで忙しく、時間がなかったので、大好きなお肉、特にオージービーフを時間があれば帰国前に食べたいと思っています。


瀬戸 大也選手

今大会の収穫は?(質問:他社記者)
バタフライが前半、スパーンといけたことです。ウェイトトレーニングの効果も出てきて、200mバタフライでもベストが出せました。

8月のパンパシフィック大会にむけて一言いただけますか?(質問:他社記者)
今大会は前哨戦みたいなものだったので、パンパシフィックもこんな雰囲気なのかなと思いました。次の大会での個人メドレーでは、もう少し良いタイムが欲しいです。


萩野 康介選手

今大会のレースでの泳ぎはいかがでしたか?(質問:他社記者)
テンポを上げて泳ぐ、ストロークを長く、というイメージで臨んだのですが、ベストの泳ぎではなかったですね。

今後の目標は?(質問:他社記者)
4月の日本選手権で大幅な自己記録更新を目指しています。個人メドレーは、穴があってはいけない種目なので、しっかりその穴をつぶし、レースに臨みます。


平井 康翔選手

2012年の北京オリンピックで日本人最初の遠泳スイマーとして10kmのレースに参加し、15位という成績を残した平井康翔選手。遠泳の本場とも言われているパースを2013年の4月からトレーニングの拠点の場とし、今大会は言わば地元開催のレースとして臨んだ平井選手に話を伺った。

(レースを終え)今の感想をお聞かせください。(質問:本誌記者)
今大会は、5kmのレースにエントリーして、とにかく優勝することだけを目指しました。簡単なレースではなかったですが、優勝できて良かったです。

なぜパースを練習の拠点とされたのですか?(質問:本誌記者)
次のオリンピックでは、メダルを狙っています。そのためには強い選手が揃い、毎週のように試合がある、環境の揃ったパースで練習に取り組みたいと思ったからです。

遠泳以外にも競泳の1,500mとライフセービングも取り組んでいると伺いましたが…。(質問:本誌記者)
人とは違う、新しい水泳選手像というものを作りたいと思っています。レース中に、もし海で溺れている人を見つけたら、レースを捨て、溺れている人を助けられる選手になりたいと思っています。それが、真の水に関わる者ではないかと思っています。

オーストラリア水泳連盟が主催し、2013年からパースで開催されている『AQUATIC SUPER SERIES』。競泳、遠泳、水球の三種目が行なわれ、競泳では国別対抗戦として今年はオーストラリア、日本、中国、ブラジル、南アフリカの5ヶ国が参加。各レースに各国代表選手2名が出場し、レース結果の上位の選手に高ポイントが与えられ、国別に集計され、順位を争う。また、遠泳では、500m〜10kmの各種コースが、パース市内のエスプラネード沿いに流れるスワン川に設置され、個人種目として争われる。水球については今大会、日本チームの参戦はなかったが、世界の中でも強豪国オーストラリアが勝利を収めている。どの種目も各国オリンピック出場経歴をもつ選手が出場するなど、世界屈指の大会である。

トビウオジャパンとは?

競泳日本代表の愛称「トビウオジャパン」。大海を突き進むトビウオのように世界で飛躍してほしいという意味が込められている。また、シンクロは「マーメイドジャパン」、水球は「ポセイドンジャパン」と呼ばれている。



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