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パースエクスプレスVol.160 2011年5月号

≫ 在パース日本国総領事 石川 達雄氏 着任

 政治
  在パース日本国総領事 石川 達雄氏 着任
4月7日に着任された在パース日本国総領事館第20代総領事、石川達雄氏にお話を伺いました。

取材日:2011年4月28日/取材協力:在パース日本国総領事館

Q:パースの第一印象をお聞かせ下さい。
 こちらに来てまだ1ヶ月も経ちませんが、たいへん落ち着いた雰囲気で、生活する上ではとても過ごしやすい所といったのが、第一印象です。また、日本人のロングステイの方が多くいらっしゃると伺っていますが、納得がいきますね。第二の人生の生活の場として、衣食住も調い、人間らしい生活を送るにはとてもいい所ではないかと思います。そして、パースに来て2日後に、パース市街中心部にて行なわれた東日本大震災の復興支援活動の場に伺う機会がございました。その席で、パース市長がスピーチをされながら涙ぐまれたことに非常に感銘を受けました。我々日本人の気持ちやプライドを理解して頂いていると実感しました。経済面において、今後も西豪州の資源の供給先は日本であることは続くでしょうが、それは人と人との交流があり、共通の土台の上に成り立った関係だということも強く感じました。

Q:前任地のタイやシンガポールは距離的に西豪州とは近いですが、観光面での類似点のようなものはございますでしょうか?
 旅行先の政治情勢や治安状況は、特に日本人にとって敏感となる部分です。私がタイ・バンコクで在任している時は、政治不安からデモ等があり、日本人旅行者が一時期減少してしまいました。しかし、パースではそういった側面からの影響は考えづらく、日本からの旅行者は将来的にも期待できると思います。しかし、更なる日本人旅行者を誘致するためには、日本とパースをつなぐ航空機の直行便は大事な要素となり、必要不可欠と考えます。

Q:在任中の抱負をお聞かせください。
 経済交流だけではなく、人的交流を深めていきたいと考えています。その土地を理解する上で、人と人との交流は原点だと思っています。在外公館では、2002年の外務省改革を経て在留邦人の方へのサービス向上を行なってきました。私ども在パース日本国総領事館でも、引き続き必要とされるサービスを積極的に行ない、インターネットやメールマガジンを利用しながら、今以上にサービス内容等を積極的に告知し、向上できればと考えています。

Q:パースでの余暇はどのように過ごされていますか?
 新しい所に来たら、その場所、その場所にいる人を見て歩き、その土地を知ることが大切だと考えています。今回、私にとってオーストラリアは初めての地です。他州にも行ったことはございませんので、全てが新しく見えます。休みの日は、これからも自分で自動車を運転して、いろんな所に行くようにしていきたいですね。ゴルフにはもう行きましたが、運動が大好きなので、機会があればいろいろとやっていこうと思っています。

Q:本誌読者へメッセージを一言、お願いします。
 海外で生活するということは、その国から何かしら恩恵を受けているということであり『その国の文化を尊重しながら、生活をさせていただいている』という姿勢が必要です。パースに来て、100年以上に渡る日本と西豪州との関係が礎になっていることが感じられました。先人たちの努力が我々の生活に大きく寄与していることは当然で、今度は我々がこれから先の100年を築く番です。海外で生活や仕事をする上では、そのような認識は必ずもっているべきだと常々思っています。しかし、そうしていても、どうにもならないことに出くわす時があるでしょう。その時は、ぜひ総領事館にご相談下さい。もちろん、ご自分でできることは、ご自分でとなりますが、今後も在外邦人の方たちへは積極的に支援していきたいと思っています。

在任中の抱負を語る石川総領事
在任中の抱負を語る石川総領事


石川 達雄
(いしかわ たつお)
総領事略歴

1969年

外務省入省

1974年
  〜
1990年

イギリス、アメリカ及びタイの各日本国大使館及び日本国総領事館に勤務

1995年

在インド日本国大使館
一等書記官

1998年

在シンガポール日本国大使館
一等書記官

2007年

在タイ日本国大使館
参事官

2011年

在パース日本国総領事館
総領事