パースエクスプレスVol.109 2007年2月号


≫ GO3 Electronic EntertainmentExpo 2007がパースで開催
≫ 『疾走するファイバー』展
≫ 白石康次郎選手、第2レグへフリーマントル出航


社会
  GO3 Electronic EntertainmentExpo 2007が
パースで開催

3月30日(金)から4月1日(日)までの3日間に渡って、Perth Convention Exbition CentreでGO3 Electronic Entertainment Expo 2007が開催される。世界各国の大手ゲームメーカーも多数ブースを構えるこのイベントでは、新作のゲームやコミュニケーション・テクノロジーなどのエレクトロニック・エンターテイメントが展示される。また、近年のオーストラリア製ゲームの輸出の増加や、2003年のゲーム関連への国内消費額が7億9500万オーストラリア・ドルとなった人気などを受け、オーストラリアでは「アジア・ヨーロッパへの玄関口」と言われるパースにて開催されることとなった。
イベント内容として、開催初日と2日目には、ゲームを製作する著名クリエイターなどによるコンフェレンスが行われ、日本から「パラッパ・ラッパー」などの音楽ゲームを製作した松浦雅也氏、「セガ・ラリー・チャンピオンシップ」のクリエイターで有名な水口哲也氏らがゲーム製作などに関する話をする予定。また、LANを使ったゲーム大会が31日から1日まで行われ、750人以上の参加者が見込まれている。その他に、E-Sportsワールドカップのオーストラリア代表決定戦もあり、各州の予選を勝ち抜いたゲーマーが今年7月にパリで行われる本戦を目指す。

今イベントでは、オーストラリア国内のゲームメーカーが国際的に活躍する大手メーカーとの関係を強化することや、情報交換をする機会として注目を集めている。GO3の創案者であるDavid Kazim氏は、「オーストラリアのエレクトロニック・エンターテイメント産業の発展性を世界に伝える良いチャンスで、アジア各国の関連産業からの投資増幅、国内の雇用率や関連産業の収益の増加が期待される」と語った。

日本の‘MTV Japan'と‘ファミ通'が、国際メディア・パートナーとしてサポートをする今回のイベントには、100個以上のブースが並び、約3万人の来場が見込まれている。

GO3公式ウェブサイトwww.go3.com.au
資料提供:Davlei Corporation, Sandbox Corporation

松浦雅也氏

水口哲也氏


 社会
  『疾走するファイバー』展

今までのイメージを一新する次世代の繊維
 2月26日(土)から3月10日(土)まで、日本科学未来館発の巡回型展示会、『疾走するファイバー』展が西オーストラリア大学(UWA)にて開催される。
 ファイバー研究では、世界のトップレベルにある日本の技術。糸や布など普段は脇役のイメージが強い繊維だが、実際はその柔軟性と強度から、医療や宇宙開発、スポーツなど最先端の科学技術の分野で幅広く使用されている。
 今回の展示会は、昨年7月、アラン・カーペンター西豪州首相が日本の三井物産株式会社を訪れた際、在パースの日本企業として40年以上の歴史を持つ豪州三井物産株式会社とともに、「学生を中心とした、将来を担う若い人達に刺激を与えられるようなイベントはできないか」と提案したところから始まった。天然資源のイメージが強いオーストラリアだが、今後はそれだけではなく、技術やITなどのソフト面も充実させていきたいという西豪州政府側の意向と、日本の最先端技術を視覚、感覚的にわかりやすく見てもらうことで地域の発展に貢献したいという三井物産側の願いが合致し、UWAと日本科学未来館、社団法人繊維学会の協力を得て、この『疾走するファイバー』展は実現した。
 期間中は、サメの皮フにヒントを得て摩擦と抵抗を減少させる競泳水着や、はさみで切ることのできない布、重さ700キロの車を吊り下げることのできる厚さ1ミリの繊維など、普段は滅多にお目にかかることのできない最新の未来型繊維が多数展示される。その他にも直に触れることができる体験展示や、サンプルを使った実験ショーなどがあり、年齢を問わずに楽しめる内容となっている。
 UWAの副総長アラン・ロブソン氏は、「この展示会を通して、訪れた人が環境や科学の役割について今一度考える機会になれば」と話し、また豪州三井物産パース支店長の岩橋史明氏は、「資源開発の枠を越えて、今後も継続して西豪州地域の文化や教育、環境に貢献していきたい」と語る。


写真左:日本科学未来館で開催された『疾走するファイバー』展のタワー
写真右:オリンピックのスピードスケートに使用された、空気抵抗を最小限に抑えるユニフォーム


写真右:不透明ポリマーを星型に配置して光の透過率を下げた、濡れても透けにくい繊維。


 スポーツ
  白石康次郎選手、第2レグへフリーマントル出航

ヨットでの単独世界一周レース「Velux 5‐Oceans」に出場している白石康次郎選手が、1月14日、第1レグ2位で到着したフリーマントル港を離れ、次の寄港地となるアメリカ東海岸のノーフォークに向けて第2レグのスタートを切った。

 約1ヶ月間のフリーマントル滞在中に白石選手は、ヨットの整備の他にメディアへの出演などを行った。1月12日には、大会中の写真・動画提供やTV出演などで白石選手の積極的なメディアへの協力が認められ、フリーマントルの海洋博物館(Maritime Museum)で行われた式典にて、Velux 5-Oceansの大会実行委員会からメディア貢献賞(Media Contribution Award)が送られた。
 フリーマントル出航のこの日、日本から駆けつけた海夕希(みゆき)夫人は白石選手の出発を前に、「私自身も会えないから心配で寂しいし、子供(真未帆<まみほ>ちゃん、2才3ヶ月)はもっと寂しいと思う。だけど、笑顔で見送れるようにしたい」、「(でも)みんなが思っているほど、心配はしていません。白石(選手)なら大丈夫だという変な確信がどこかにあるので」と心境を語ってくれた。また、大会の目標について「とりあえず笑顔でゴールしてほしいです。順位は気にしていません」とコメントしてくれた。
 白石選手は、本誌への最後のコメントで「10kg太り、90kgになりました。ありがとうございます!」と、コンディションの調整がうまくいったことを断言した。同選手は、出航セレモニーのインタビューでも同コメントを英語で満員の会場に向けて告げ、「スピリット・オブ・ユーコー」(白石選手のヨット)に乗り込み、再び生活を海上に移した。
 現在、白石選手は1位のベルナール・スタム選手(スイス)に1,720海里差で2位につけている(2月12日 日本時間10:20分現在。白石康次郎公式ウェブサイト www.kojiro.jpより)。同選手は今後、南米南端のケープ・ホーンを通過し、その後北上してアメリカのノーフォークを目指す。ノーフォーク到着は3月中旬、ゴールのスペインのビルバオには、5月上旬に到着予定。
出航セレモニーで他の選手と並び観客に手を振る白石選手(写真左)と第1レグで1位だったベルナール・スタム選手(写真右)
出発前に娘の真未帆ちゃんをヨットに招き入れる白石選手 陸を離れる白石選手に手を振る海夕希夫人と娘の真未帆ちゃん
白石 康次郎 (しらいし・こうじろう)
1967年、東京生まれ鎌倉育ち。神奈川県立三崎水産高等学校 専攻科(機関)卒業。1986年、故多田雄幸氏に弟子入り。1990年、太平洋単独縦断に成功。1993年、世界最年少単独無寄港世界一周を達成(26歳)。そして現在、「5-Oceans」に挑戦中。「人生で大切なことは海の上で学んだ」ほか著書も出版。
白石選手のWebwww.kojiro.jp/


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