【Image from Kayo Sports Screenshot】
 
試合後のパースグローリー、Richard Garcia監督の記者会見では終始、グローリーのDF陣についての質問がなされた。そのDF陣の一角を担うのが背番号8番の左SB、太田宏介だ。
 

 
 
VAR（Video Assistant Referee／ビデオ・アシスタント・レフェリー）で得点が消されたのは、前半の35分までに3回もあった。命拾いをしたのはパースグローリーだった。そして、相手の決定機は7回。その7回全てが、パースグローリーのDF陣が相手FWに裏を取られた形からだった。

アウェイ2連戦の2試合目は、Western Sydney Wanderers。3月13日にフライトでシドニーに飛び、そのままNSW州にステイしながらのアウェイ2戦目となった。気温は22度と低く、選手にとっては好条件だったが、雨と前日のラグビーの試合後でピッチが荒れぎみということもあり、決して万全とは言えるものではなかった。

試合は30分までほぼイーブンのポゼッションだった。しかし、3回のVARの後、前半アディショナルタイムでグローリーは失点を許す。そして、後半開始2分後と5分後に連続失点。映像だけ見れば、グローリーのDF陣が崩壊したように見えた。

試合は3-0でホームのWanderersが勝利するも、試合後の記者会見で「DFに関しては個人の問題なのか、システムの問題なのか？」といった質問に監督のRichard Garciaは「若手選手でリーグ出場初年度の選手もいる。フラストレーションも溜まるが、彼らは成長するしかない」と。

また、経験の深浅がかなり異なる選手たちがDF陣を構成している点についても質問が及ぶと「DFの4選手が一つのチームとなってまだ間もない。新しい顔ぶれが揃ったチームと言える。若い選手は同じミスを、次はしないように学ばなくてはならない。まだ先はある。シーズンは続く」と答えた。

この試合の太田は前節に続き、先発フル出場だった。幾度となくキラーパスとなるクロスをはじめ、ショートコーナーからのクロスやフリーキック、最前線への縦パス、そして右足でのシュートと攻撃参加を繰り返した。また、チームメートへパスの出しどころの指示を出すなどリーダーシップも発揮したが、試合後の電話インタビューで「90分間、ピッチに立ち続けられたことは良かったですね。もっとコンディションを上げ、自分のプレーに集中し、次に向けて気持ちを切り替えていきたいと思います。次はホームの試合なので、応援に来てくれる日本人サポーターのパワーもお借りして、頑張りたいと思います」と話した。

メディアがやり玉に挙げているDF陣についても伺うと「試合後、監督から若手のDF選手に多くの指示が出されていました。そこだけが問題ではないと思いますが、確かにポジショニングの改善は必要かと思います。今日の試合に関して、自分の（左）サイドからは一本も崩されていないので、それは良かったでしたね」と振り返った。

＜VARで失点が取り消されるも厳しい表情を浮かべる背番号8番の太田宏介（Image from Kayo Sports Screenshot）＞

 
【試合結果】
Western Sydney Wanderers　3 – 0　Perth Glory

得点：
＜Western Sudney Wanderers＞
Mitchell Duke（45分＋2分）
Mitchell Duke（47分）
James Troisi（50分）
 
 
文：今城康雄（いまなりやすお）。パースの日本語メディア「The Perth Express」の代表兼、編集長。2005年のAリーグの開幕以来、リーグ公認のメディアとなっている「The Perth Express」のジャーナリストとしても、パースグローリーのホームゲームはほぼ全試合、記者席より取材を重ねてきた。2020年よりパースグローリー日本地区担当マネージャー兼任。
 
 
【参考】
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