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パースエクスプレスVol.216 2016年1月号

●「自分スタイルのサロンを開きたい」
山下 太央さんのある日

日本で美容師として約10年、サロンで働いてきた。お客さんのリクエストに応え、自分の満足いくスタイルに仕上がったり、徐々にお客さんが自分へ付いてくれたりすることで仕事へのやりがいは増したが、一歩外に出て、自分を見直してみたいという思いからパースへ来た。美容師という職業は思うがままに選んだが、10年後、パースにはさみを持って来て、友人・知人の髪の毛を切ることで、改めて美容師という自分の立場を考え、将来のビジョンを形にしつつある山下さん。「日本では施術はサロン。一定レベルのサービスも当たり前ですが、オーストラリアに来てそれが全てではないかなと気付きました」と話す山下さんの1日を紹介します。
京谷 美奈さん
山下 太央さん
(やました たお)
32歳

シェアメートと朝の一時/友だちとビーチへ
5:10am
シェアメートと朝の一時。
6:00am
友だちとビーチへ。時間を見つけては、趣味のサーフィンで海に入る。
いろいろな国から来た人たちの髪を切った
10:00am
いろいろな国から来た人たちの髪を切った。国が違えば文化やファッション、好みのヘアースタイルも異なる。なのに、「オージーやヨーロッパの人たちがアジア人の自分に全てを任せて、はさみを入れさせてもらえたことには感謝していますね」と話す山下さん。

場所を選ばずに切ることも/出張スタイルで髪を切る山下さん
「旅行先で、海を見ながら、砂漠の中で、川の辺でといった感じで、場所を選ばずに切ることもありました。カットクロスをかけずに切ることも。でも、みんな“気持ち良いー!”って言ってくれましたね」 出張スタイルで髪を切る山下さん。「このフランス人のお友だちも“こんな感じで…”というぼんやりとしたリクエストはありましたが、ほとんどの人が基本的には『おまかせ』ですね。その点は、日本人とは違いますね」

施術をする山下さん
1:30pm
パースのサロンの一席を借り、施術をする山下さん。「パースのサロンも経験しましたが、いろんなスタイルのサロンがあっていいかなと改めて感じました」

友人のオージーの息子
本日最後は、友人のオージーの息子。「パースで出会い、髪を切らせてもらった友人・知人とまたいつか、日本で再会したいと思っています。そして、日本でも彼らの髪を切らせてもらいたいですね」と話す山下さん。
道具の手入れ
8:00pm
1日の終わりに道具の手入れをする。「美容師にとって一番大切なのは、“人を思う気持ち”だと思っています。技術も当然必要ですが、美容師は人間性が全てだと思っています」

バーで友だちと合流 8:30pm
シェアメートとひと息ついて、その後はバーで友だちと合流。「たくさんの人の髪を切らせてもらいました。ただ、髪を切られる“人”と“美容師”という関係にとどまらず、その先の“友達”という関係まで築ければと思いながら、今まではさみを入れてきました。将来、そんな関係が成り立つサロンを日本で開きたいと思っています」と話す山下さんの1日でした。