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日本発豪州行き 蹴球戯言
Vol.212/2015/09

第14回「AリーグとJリーグの格」


 欧州サッカーの新シーズンが始まりました。現代サッカーの中心地は欧州であり、アジアのサッカーファンも注視せざるを得ない時期が来ましたね。さて、恒例の質問です。

【Q】アジア圏で最強のリーグは?

【A】2つのランキングを用いて検証してみましょう!

 最初は、実績のランキングです。アジアサッカー連盟(AFC)が、2012〜2015年の総合ポイントによる『AFC Club Ranking』を発表しています。そのランキングを参考にして、トップ50の1位から50ポイント、50位に1ポイントを振り、合計ポイントで各国リーグのトップ10ランキングを作りました。


 1位 韓国/Kリーグ(215ポイント)
 2位 サウジアラビア/サウジプロフェッショナルリーグ(198ポイント)
 3位 イラン/ペルシアンガルフカップ(152ポイント)
 4位 日本/Jリーグ(132ポイント)
 5位 カタール/スターズリーグ(125ポイント)
 5位 UAE/アラビアンガルフリーグ(125ポイント)
 7位 中国/サッカースーパーリーグ(94ポイント)
 8位 オーストラリア/Aリーグ(80ポイント)
 9位 クウェート/プレミアリーグ(61ポイント)
 10位 ウズベキスタン/ウズベクリーグ(42ポイント)



 詳細ですが、Aリーグ勢では19位にウェスタン・シドニー・ワンダラーズ、26位にセントラルコースト・マリナーズ、34位にアデレード・ユナイテッド、45位にブリスベン・ロアーがランキングされていました。Jリーグ勢では、5位に柏レイソル、30位にガンバ大阪、37位にサンフレッチェ広島、40位に川崎フロンターレ、42位に浦和レッズ、46位にセレッソ大阪とFC東京、50位に名古屋グランパスがランクインです。


 次に、現在のサッカー界で重要な経済的な規模についてはどうでしょうか?各国リーグの選手の平均年棒を『英紙デイリーメール』と『朝鮮日報』を参考にして列挙致します。


 1位 中国/サッカースーパーリーグ(3,889万円)
 2位 日本/Jリーグ(2,355万円)
 3位 韓国/Kリーグ(1,461万円)
 4位 オーストラリア/Aリーグ(1,210万円)

※1 中国/サッカースーパーリーグ、日本/Jリーグ、オーストラリア/Aリーグの平均年俸は2014年『英紙デイリーメール』より(2015年9月現在のレート:1ポンド=185.3円で計算)。
※2 韓国Kリーグの平均年俸は2013年『朝鮮日報』より(2015年9月現在のレート:1ウォン=0.1円で計算)。



 クラブの経済的な規模でも、残念ながらオーストラリアと日本はアジア最強の「格」を持っているとは言えませんでしたが、以上の結果からアジア圏での最強リーグは、実績で1位と経済的規模で3位の韓国のKリーグと言えるでしょう。

 最後に筆者の主観である“印象”についての「格」についてお届けします。印象とは、筆者の目にする機会が多く、AFC Champions League(ACL)の舞台や移籍市場などでどれほどのインパクトを与えているかとなっています。それによると、以下が最強リーグランキングです。



 1位 中国/サッカースーパーリーグ
 2位 韓国/Kリーグ
 3位 カタール/スターズリーグ
 4位 オーストラリア/Aリーグ
 5位 日本/Jリーグ


 1位は、中国のサッカースーパーリーグでした。理由は、圧倒的に経済的な規模と移籍市場へのインパクトです。そして、近年のACLの成績が芳しくなく、移籍市場でのインパクトが少なかったJリーグはAリーグよりも「格」は下ではないかと考えました。

 さて、アジア圏のサッカーシーン全体でみると、ACLの重要度が増し、クラブ間での真剣勝負の場が過去に比べれば増しましたが、代表同士の真剣勝負に比べれば、まだ軽いと言わざるを得ません。将来、クラブが経済的な状況にあまり左右されることのない「文化としてのサッカーリーグ構築」がオーストラリアや日本、そしてアジアサッカー全体の今後の理想となるでしょう。