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日本発豪州行き 蹴球戯言
Vol.205/2014/02

第7回「オーストラリア代表と日本代表のアジアでの役割」


 オーストラリアで初めて開催されたアジアカップが、 1月31日の決勝戦をもって全日程を終了しました。オーストラリア代表、優勝おめでとうございます!初めての地元開催で、初優勝!まるで、かつての日本を見ているようでした。

 さて、恒例の問題です。

【Q】大会を終え、オーストラリア代表と日本代表の今後の展望は?

【A】簡単です。両国のアジア地域での地位が逆転するでしょう。オーストラリアは、アジアのサッカー界で昨年、クラブアジアNo.1(Western Sydney Wonderers)を勝ち取ったのと同時に、今回の代表もNo.1を名乗ることになりました。今までのアジア地域での存在感は、一般的に新参者のオーストラリア代表よりも日本代表の方が高かったと思いますが、2014からの結果から全てが逆転するでしょう。

 さて、今後の展開として、特にオーストラリア代表選手たちの欧州メジャーリーグへの大量移籍が予想されます。また、移民の国であるオーストラリアは、オーストラリア代表ではなく、起源の国の代表を選択する選手が過去にはいましたが、今大会を通じて国内のサッカーに対する注目度やサッカー選手の地位向上がますます期待される中、オーストラリア代表への愛着心が生まれ、オーストラリア代表を選択し、かつ代表チームの強化へも直結すると考えられます。

 日本代表は、早期敗退を喫し、監督も諸事情により契約解除というかたちで退任しました。若年世代の強化と世代交代という難しい問題を抱え、先行きは決して明るくはありません。「日本代表監督は誰になるか?」と話題になっていますが、それ以外にも解決しなければならない問題が山積みです。そう考えると、国内リーグ(Aリーグ)の盛り上がりと代表チームの直近の結果によって国内でのサッカーに対する印象も変わること間違いないので、オーストラリア代表の方が先行きが明るいと考えられます。

 近い将来は上記の通りですが、両国代表がアジア地域にて果たす役割を改めて考えてみると「アジアカップのステータスを更に上げること、強いては世界に対するアジアのイメージを変えること」が責務であると思います。今大会は過去に類を見ないほど、スター選手が共演した大会になりました。オーストラリア代表のティム・カーヒル選手、日本代表の本田圭佑選手、韓国代表のソン・フンミン選手など、欧州メジャーリーグで活躍中であったり、W杯にて強いインパクトを与えた選手であったりと、大会の注目度を上げてくれたことは周知の事実です。

 サッカーは世界一競技人口が多く、注目度も高いスポーツですが、かつてアジアの人たちの間で人気があったのは、欧州や南米の強国リーグと選手達でした。しかし近年、アジア地域の選手達が欧州のメジャーリーグへ所属することによって、同じアジア地域の選手達の注目度も上がり、相乗効果でアジアカップのステータスも上がってきたと考えられます。報道を見る限り、今大会にイングランドやその他の地域のジャーナリストが取材にオーストラリアを訪れていたようですね。一昔前では考えられないことです!

 さて、今後オーストラリア代表と日本代表は、スター選手を輩出し続け、世界に対する注目度を維持、もしくは今以上に上げる筆頭のチームになることでしょう。そうならなければ、アジア地域のサッカー人気や世界に対するアピールに繋がらないことも明白です。

 【追伸】
前号にてアジアカップのオーストラリア代表と日本代表のグループリーグ勝敗予想をさせて頂きました。各3試合で計6試合中、4試合が勝敗のみ予想的中。ただ、得点まで当てた試合は、日本対イラク(1ー0)の1試合のみでした。当然、オーストラリア代表対日本代表の決勝予想も大幅に外れました。わかっていましたが、試合予想ほど難しいものはありません。だからゆえに、サッカーは世界中の人たちを虜にしているのでしょう。