第6回「オーストラリア代表と日本代表のアジアカップ」

　新年明けましておめでとうございます！今年もお付き合いのほど、宜しくお願いします。今号は現在、オーストラリアで行われているアジアカップをテーマにしました。早速、問題です。

【Q】オーストラリアと日本の両国代表が、アジアカップ本大会に初めて参加したのは、いつでしょうか？

【A】オーストラリア代表は、2007年のインドネシア・タイ・マレーシア・ベトナム共催大会、日本代表は1988年のカタール大会です。

　オーストラリア代表は、2006年にオセアニアサッカー連盟からアジアサッカー連盟への転籍が認められ、2007年大会予選からアジア諸国としのぎを削り合うようになりました。当時、オーストラリア代表はオセアニア・チャンピオンであり、2006年のWカップで決勝トーナメントに進出したチームがベースとなっていたこともあり、アジアカップ初参加ながらも優勝候補に挙げられていました。しかし、本大会ではアジアの高温多湿な慣れない気候や、欧州リーグ所属選手のコンディション不良により苦戦し、様々な面で注目を浴びたオーストラリア代表は、結果ベスト8止まりでした。

　一方、日本代表は、4年に1回のオリンピックと開催年（2004年まで）が重なっていたことや、日本サッカー協会の資金難という理由で、それ以前のアジアカップ予選にはほとんど参加していませんでした。また、初参加となった1988年本大会には、事実上、大学生選抜チームを送り込みました。結局、1分3敗にてグループ最下位という結果で初参加の本大会を終えました。

　アジアカップは、大陸別選手権としては南米選手権に次ぎ、古い歴史をもっています。しかし、アジア地域がサッカーの勢力図の中では強豪とは言えない国の集まりであったため、注目度は決して高くありませんでした。日本サッカー協会が、アジアカップを重要視していなかった歴史は、この注目度の低さが影響していたと思います。どちらかと言えば、筆者もアジアカップと混同することの多かった「アジア競技大会（通称、アジア大会）」を重視していたかと思います。しかし、1992年にアジアカップを広島にて主催することになり、自国開催でかつ初めて本気で挑んだ結果、初優勝することとなりました。

　それからのアジアカップでの日本代表の成績は、他国を凌駕しています。優勝回数4回（1992年、2000年、2004年、2011年）を誇り、今大会でも前回からの連覇が至上命題となっている感があります。 さて、2015年アジアカップのオーストラリア大会における両国の展望ですが、オーストラリア代表、日本代表は今大会でも優勝候補の一角となっており、両国がグループを1位で抜ければ、前回大会と同様に決勝戦で相見えます。ちなみに前回大会の決勝は、オーストラリア代表は0‐1で日本代表に惜敗しています。

　1月9日、メルボルンにてオーストラリア代表は中東の強豪、クウェート代表との初戦を向かえます。本誌が出版されている時はすでに結果は出ていますが、前評判が高く、フィジカル面では突出しているオーストラリア代表に対して、テクニックとスピードのあるクウェート代表といった戦いになるでしょう。

　そして1月12日、ニューカッスルにて日本代表は初参加のパレスチナ代表と初戦を向かえます。日本代表が胸を貸すかたちになっていますが、元々日本代表は初戦を苦戦する嫌なジンクスがあるので、こちらも足元をすくわれないよう気を付けなければなりません。

　一般的には、グループ分けは日本代表の方が恵まれていると言われています。オーストラリア代表のグループには、優勝候補にも挙げられている韓国代表がいて、過去日本代表が苦戦しているオマーン代表も侮れないとされているからです。日本代表のグループは、パレスチナ代表が草刈場になる可能性が高く、実質、イラク代表とトップ争いをすることになるでしょう。オーストラリア代表はホスト国として、グループ突破は至極当然であり、筆者の予想では、クウェート代表に1‐0で勝利、オマーン代表に2‐0で勝利、グループ最終戦では余裕を持って韓国代表を向かえ打って1‐1で引き分け。グループリーグをトップ通過するでしょう。日本代表は、パレスチナ代表に3‐1で勝利、イラク代表に1‐0で勝利、ヨルダン代表に1‐0で勝利し、こちらもグループリーグをトップ通過すると予想しています。

　さて、1月31日に決勝戦（会場：シドニー）を向かえる本大会、筆者としては前回大会同様、オーストラリア代表と日本代表の再戦を期待しています。

　「がんばれ、オーストラリア代表！日本代表！」