仕事仲間を通しての紹介で出会った、離婚歴のあるイギリス人男性とビジネスビザで働く日本人女性というご夫婦。出会って3ヶ月後には、夕陽を眺めながらプロポーズ。その時は、そんな予定はしていなかったのに、自然にそういう言葉が出てしまったそう。
という順調なお付き合いを進め、その後妊娠。結婚は出産後と考えていたそうですが、日本の事務手続きの状況から結婚、出産の順番の方が好ましいということが分かり、急きょ結婚の手続き。そして無事に女の子が生まれ、現在は家族3人でパースで暮らしていらっしゃいます。「もうそれほど若いわけではないので、あり得ないパーフェクトを相手に求めるようなことはなかった。お互いに何が一番重要なのか、が分かっているように思いますね。国籍や言葉の違いを含め、これまでの時点では何も問題がない。本当に問題がないんです。僕たちはお互い、自然体でいられる。彼女はとても穏やかな性格だから、雰囲気がトゲトゲしくなるようなこともないし。僕と前の奥さんとの間の子供もとても可愛がってくれるし、彼女とも普通に付き合えるんだから、彼女は素晴らしい。オーストラリア人の女性なら、敵意をむき出しにすることも多いっていうのにね。それは、離婚歴がある自分にとっては、とても感謝すべきことなんだ。彼女と付き合う上で、トラブルは一度もなかったね。そう、ただ一度だけ、彼女が言ったことを、僕が勘違いしたことはあったかな。ささいなことだけど。でも、それもお互いにちゃんと話し合って、誤解を取り除いたから、問題なし。ただ自然にしているだけなのにこんなにうまく行くってことは、それだけ相性がいいってことなんでしょうね」と、ご主人。今は時間に余裕があるので、生まれたばかりの娘さんと一緒に過ごせる時間を十分に作れることが嬉しいのだそうです。
一方、奥様の方と言えば「彼は日本の文化が好きなので、助かります。私も自然体でいられることには違いはないのですが、やはり自分の祖国を離れて違う言葉の環境で暮らしている以上、犠牲にしているものもあります。日本の友人とは遠く離れているし、日本のテレビ番組や雑誌もパースでは思うように見ることができない。言葉でも自分の気持ちを表現しきれない時には、もどかしく思います。でも、余計なことを言うこともできないので、かえってトラブルになりにくいという側面もあるかもしれませんね。それが円満の秘訣かもしれない(笑)」と、言葉を合わせる側には多少なりとも苦労はあるようですが、それほど大きな問題になるわけでもなさそう。「とはいえ、ある程度の会話力はもちろん必要です。言葉なしでのコミュニケーションには、やはり限度がありますから」
奥様は現在、ご主人のスポンサーでパーマネント・レジデンスビザを申請中。「結婚を決めたころから、申請に役立つようにと、積極的に2人での写真を日付入りで撮ったり、番号明記の電話の明細書をまとめておいたりと、ビザ申請に備えていました。インタビューの時にも、たくさんの資料を準備して意気込んで出かけたのですが、状況的に家族であることは一目瞭然だったので、審査はとてもスムーズ。妊娠中だったために用意できなかったX線写真を提出するように言われただけで、ビザの申請もまったく問題ありませんでした」。
人間として最高の相性のパートナーと巡り会えた幸せなお2人からは、異国籍の違和感はどこからも感じられないようです。
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