Japan Australia Information Link Media パースエクスプレス

パースエクスプレス Vol.158 2011年3月号

一日の終わりに、夜空を眺めて星に思いを馳せたことはありませんか?オーストラリアの壮大な星空に圧倒されたことはありませんか?
ここパースは、北半球に位置する日本の空とは違う星空を眺めることができます。そこで今回の特集では、パースで観ることができるきれいな夜空の星空を紹介します。今夜早速、夜空に見える星座を探してみませんか?星座をたった一つ知るだけで頭の上に広がる星空が今までとは違ったものに見えてくるはずです。

Photos and Information Courtesy of David Malin Images (DMI) / NASA / Perth Observatory / Quasar Publishing(alphabetical order)

まず、星を見る前に基本的なことを確認してみましょう。

そもそも星座とは何でしょうか?
  星座(英訳:constellation)とは、複数の恒星(天球上で相互の位置をほとんど変えず太陽と同じく自ら発光する天体)が天球上に占める見かけの配置を、その特徴から連想したさまざまな事物の名前で呼んだものです。現在一般的に用いられる星座名は、国際天文学連合(IAU)が定めた88の星座です。ちなみに、日本で全く観られないのは、『カメレオン座』『テーブルさん座』『はちぶんぎ座』『ふうちょう座』があります。

1等星、2等星って何のこと?
  地球外で発生する自然現象を観測する天文学において、『等級』とは、天体の明るさを表す尺度です。そして、恒星の明るさを表す場合には『1等星』『2等星』などと呼び、値が小さいほど明るい星であることを示しています。
  日本のある北半球において、天体の目印となる北極星は2等星です。おおいぬ座の星『シリウス』が、一番有名な1等星で地球から見える太陽の次に明るい恒星です。
南天と北天って何でしょうか?
  日本の位置する北半球の空を北天、オーストラリアの位置する南半球の空を南天といいます。南半球に輝く星座は、日本とは逆さまに見えます。それは、北半球に対して人が逆さまに立っているようになるからです。
  また、星と太陽の動きは北半球では東から南に昇り、西に沈みますが、南半球では東から北に昇り、西に沈みます。
  北天には北を示す北極星がありますが、南天には南を示す南極点にあたる星はなく、真南の方向を示す天の南極は、はちぶんぎ座の中に位置し、35度の高さにあります。
星はどうして降ってこないのでしょうか?
  重力は、距離に反比例して小さくなりますが、どんなに遠く位置していても働く性質がありますので、物体はいずれ地上(地球)に降ってくることになります。
  しかし天体には、どの方向が上でどの方向が下か、という概念がありません。また、どんなに遠く位置する星でも、お互いに引っ張り合う力が働いているので、星同士の位置は大きく変化しません。つまり星同士が支えあっているので、降ってくることはないのです。

南半球の星空マップをご紹介します。日本では冬の星座と知られている星座も南半球では夏の星座になります。星空観察のお供に活用してください。
パースで天文学に触れる
パース市内から東へ25km離れたBickleyにある『パース天文観測所』では、南半球やオーストラリアの天文の研究、また一般向けにもその天文についてのツアーを催行し、情報提供を行なっています。その『パース天文観測所』に勤務している天文学者、ラルフ・マーティン氏に、オーストラリアの星空について伺いました。

※各ページは、pdfファイルで表示されます。