第16回
【前回までのあらすじ】
沢田百々子、30歳。パースにいた頃から15年の歳月が流れ、旧友のRisaと再会する
ため、サンフランシスコに戻って来た百々子だが…。
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第22走者
筆者:すぐる
気が付いたら、ベッドの上で横になっていた。どうやら病院の個室にいるらしい。スライド扉の向こうから話し声が聞こえた。その声は、Risaだった。そして、スライド扉が開いた。意識が戻った百々子にRisaが目を丸くして、ベッドに近づいてきた。開口一番、「ごめんね」と。なぜ、謝っているのかと思った瞬間、記憶が蘇った。
ホテルのロビーで、あの恩田正平がRisaの隣に座っていた、とうことを。
Risaの頬に涙が伝い、「本当にごめんなさい」と絞り出すように百々子に向けて言った。
正平とRisaはセックスフレンドだった。Risaが一度、パースにいる百々子にLineで連絡を取ってきた時、実はRisaは正平を探していた。百々子が正平はパースにいると告げた時、Risaは嫌な予感はしてた。正平が、Risaに百々子を彼に引き合わせてくれと頼んでいたからだ。
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