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リレー小説
Vol.233/2017/6
第12回
【前回までのあらすじ】
沢田百々子、30歳。パースでの生活も徐々に慣れ、住居をシェアハウスに移動した。そのシェアハウスで、そしてシェアメイトのリンに奇妙な出来事が起こる。

第17走者
筆者:日本のお母さん


 リンの学校からの電話とほぼ同時刻に、日本の親からLINEで連絡が入りました。「この間、東条さんという人から『百々子の新しい住所を知りたい』と言われたので伝えといたわよ。小学校の時の同級生で、同窓会の知らせを送りたいからと言っていたわ」と。“勝手に”と思いながら、「どこの誰だかわからない人には、簡単に個人情報を渡さないでね、お母さん」と返信しました。既読を確認したあと、“新しい住所”の“新しい”に違和感を覚えましたが、急いでリンの学校へタクシーで向かいました。



第18走者
筆者:ディズニー


 呼び出された百々子が学校に着くと、先生らしき人が震えるリンを抱いていた。トイレに入るリンの肩を何者かが掴み、リンの叫び声でその人物は走り去ったと説明を受けた。警察へ届け出はすでに出しているそうだ。逃げた人物は、アジア人の男で、帽子を深く被っていたのではっきりとした顔かたちは見れなかった、とリンは話しいるようだ。

 震えるリンの手を取り、タクシーで家に帰る。タクシーを降り、エントランスに歩を進めるとそこには、あの恩田正平が立っていた。


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