「ゴミ捨て場なのに美しすぎるではないか。本来なら悪臭が漂い、もっと汚れた場所なのでは。それなのに全くそれを感じさせない。現実を伝えていないのでは?」
これまで中米・東南アジア7カ国のゴミ捨て場を撮影してきた。日本でそれらの写真を発表した時、写真イメージに関していろんなコメントが返ってくる。
確かにそうかもしれない。だが、上記の写真のような幻想的な風景もまた現実の一つなのだ。
ゴミ捨て場では多くの子供達が働いている。物心ついた時から、ゴミ捨て場が生活の場である子供達である。そこが、働く場であり、遊ぶ場である。彼ら/彼女達にとって、そこが生まれ育った故郷でもあるのだ。
国籍・民族・性別問わず、誰もが故郷(ふるさと)を持っている。特定の地域や場所で一生を終える人もいれば、数限りなく移動し続ける人もいるだろう。
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抽象的であれ、具体的であれ、人はどこかに故郷を持っているはず(だと思う)。個々人の持つ故郷は、心温まる思い出がいっぱいの場所かも知れない。あるいは、思い出したくもない経験をした場所かも知れない。そんな故郷の一つにゴミ捨て場そのものがあってもおかしくない。
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