Q:オーストラリア、アメリカ、シンガポールと海外で多くの英語落語公演をされていますね。英語落語を始められたきっかけは?
桂あさ吉さん(以後K):約10年前に、大島きみえさんと桂かい枝さんの英語落語ツアーに「一緒にやってみないか」と声をかけてもらったのがきっかけです。
Q:江戸時代から伝わる古典落語を英語に訳され、演じていらっしゃいますね。以前から英語は得意だったんですか?
K:英語は苦手でした。けれど、落語が好きだからできているんだと思います。
Q:海外公演を行なうにあたり、難しい点はどんなところですか?
K:まず舞台づくりですね。事前に入念な打合せをしても、なかなか思うような舞台にはならないことが多々あります。以前舞台が低くて、お客さんから僕の頭しか見えないということもありました。あとウケると思っていたところがそうでなかったり、予想外のところがウケたり、なかなか自分の予想通りにいかないことがよくあります。いつも事前にいろいろネタを用意しておいて、お客さんの反応を見ながらネタを省いたり増やしたり、1回1回の舞台を経験しながら改良を重ねています。
Q:では、初めてのネタを下ろされる時は緊張されるんでしょうね。
K:舞台は初めてのネタをやるかどうかに関わらず、例えどんな小さな会場であっても毎回緊張しますね。
Q:英語落語ならではの面白さは何ですか?
K:英語落語の醍醐味は、海外公演なんですよね。日本人はユーモアが足りないなんて思われているけれども、伝統的な日本の笑いのスタイルで、現地のネイティブの方に笑ってもらえる、これこそ英語落語ならではの魅力だと思います。
Q:英語落語がすでに前衛的ですが、何か次に挑戦しようと考えていることはありますか?
K:今回、落語の他に笛の独奏や南京玉すだれもやります。海外公演でこれらをやるのは今回が初めてです。1つの総合的なエンターテイメントとして、様々な日本の伝統的な文化を海外の皆さんに紹介できたらいいな、と考えています。
取材協力:在パース日本国総領事館
普段撮られる側の桂あさ吉さんが客席を撮影。観客にカメラを向けると、大きな笑いが。 |