パースエクスプレスVol.147 2010年4月号


≫ 電撃ネットワークがパースに再上陸!
≫ ラグビー・オール鹿児島高校選抜 パース遠征
≫ ゴルフボール大のヒョウと大雨がパースを直撃

≫ 時代を超えて伝わる落語は国境も越えた

≫ 西豪州への修学旅行向けの研修旅行で、露天掘り鉄鉱石鉱山を視察



 芸能
  電撃ネットワークがパースに再上陸!
パースに驚愕と爆笑の渦が巻き起こった!去る3月17日から20日までの4日間、あの空前絶後、唯一無二のパフォーマンス集団『電撃ネットワーク(The Tokyo Shock Boys)』が6年ぶりにパースへの凱旋公演を果たした。結成20周年記念公演となる今回のツアーは、例年をさらに上回る言語を超えた超絶パフォーマンスで、オージーを圧倒。そして彼らと10数年来の親交を持つ本誌は、この白熱のパース公演4日間の密着取材を敢行、その魅力と素顔に肉迫した!『PLEASE LAUGH, WE’RE RISKING OUR LIVES(笑ってくださいよ、こっちも命がけなんだから)!』
①パース公演で披露されたパフォーマンスの数々を大公開!

②電撃!直撃インタビュ〜 -その1-

③電撃!直撃インタビュ〜 -その2-

④電撃!オフショット

⑤電撃ネットワーク メンバープロフィール

 
 スポーツ
  ラグビー・オール鹿児島高校選抜 パース遠征
オール鹿児島高校選抜チームが本場のラグビーを学ぶため、3月25日から30日、パースを訪れた。パース市と鹿児島市が姉妹都市であることから2008年にこの交流が始まり、鹿児島からパースへの遠征は今回で2回目となる。日程には、プロのコーチによる強化練習の他、地元チームとの練習試合やスーパー14の『ウエスタンフォース』の試合観戦などが盛り込まれた。

【プロのコーチからのコーチング】
   
ウエスタン・フォースのコーチから指導を受け、熱心に聞き入る選手たち。 コーチの指示に従って実践練習開始。グラウンドには選手たちの声が響く。 体で覚えようと、取り組む姿は真剣そのもの。 練習と言えども、本番さながらの迫力あるプレーが連発した。

【地元チームとの練習試合】
   
地元チーム『Newman College』との試合。スクラムを組む両チームの選手たち。 ロックの選手がラインアウトのボールを競い合う。 相手チームがトライに成功。試合は大敗を喫したが、得たものは大きかった。 試合終了後のアフターマッチ・ファンクション。互いに記念品を贈り合った。
オール鹿児島高校選抜チーム
坂元 浩 団長


Q:今回の遠征の目的は?
A:全体的なレベルの底上げです。我がチームは、個々人の運動能力は高い割に、全国大会で結果を残せていないのが現状です。今回、中学校の先生も来ていますので、今後、中高一貫した指導で、底辺を広げていければと思っています。

Q:今回の遠征で彼らに望むことは?
A:多くの方々から援助をいただいていることへの感謝を忘れず、与えられたこの機会を十分に活かして、自分たちのスキルアップと、帰国したら今回学んだことを自分たちの高校の同輩、後輩に伝え、フィードバックしていってもらいたいですね。

オール鹿児島高校選抜チーム
上村 誠 監督

Q:監督として、どういった指導をされていますか?
A:強いチームと試合をする時、胸を借りるといった意識ではなく、今までやってきたことに自信を持って、自分たちにもできるんだという気持ちで試合に望めるように指導したいと思っています。

Q:今回の遠征を、今後の指導にどう活かしていきたいと思いますか?
A:日本各地にも遠征に行っていますが、国内の強豪チームばかり意識するのではなく、今回、より強い本場オーストラリアのチームと対戦したことで、国内強豪チームなど大したことないと、彼らの意識を変化させていきたいです。
オール鹿児島高校選抜チーム
川原 一祥 総務

Q:前回の遠征を唯一経験されている川原さんですが、今回はいかがですか?
A:前回に比べ、余裕を持って楽しめていると感じています。今回は前回の経験を活かして、異文化交流の機会を多く設けました。ラグビーには試合後に相手チームとの交流を深めるための“アフターマッチ・ファンクション”という文化がありますが、そこで相手チームがニュージーランドの「ハカ」を披露してくれたり、お互いにユニフォームを交換したり、素晴らしい交流ができました。また、パース市内観光の時間も多く設け、選手自らが地元の方々の中に積極的に飛び込ませることで、地元の文化に触れ、視野を広げて帰ってもらいたいと思っています。
オール鹿児島高校選抜チーム キャプテン
永谷 勇人 選手(大口高校3年生)

Q:地元チームとの交流試合はいかがでしたか?
A:体格が全然違って、接点の激しさなど日本ではできない体験ができました。

Q:キャプテンとして、どのようなチーム作りを心掛けていますか?
A:試合で雰囲気が悪い時に、自分が体を張って、チームを盛り上げる存在でありたいと思っています。

Q:ウエスタンフォースの試合を観戦していかがでしたか?
A:いつも日本のテレビで見ていたスーパー14の試合を生で観て、タックルの音や観客の声、スタジアムの雰囲気を肌で体験できて、とても興奮しました。今回、指導してくださる方がスーパー14の指導をしていると聞いて驚いています。
オール鹿児島高校選抜チーム
小瀧 尚弘 選手(鹿児島実業高校3年生)
Q:背が高いですね!身長は?ポジションはロックですか?
A:194cmです。はい、ロックです。

Q:今回、一番印象に残ったことは?
A:本場のラグビーを生で観れたことです。迫力がありました。

Q:地元チームとの交流試合はいかがでしたか?
A:相手の接点が強くて、なかなか止めることができませんでしたが、セットプレーやラインアウトでは勝つことができたので、収穫はあったと思います。

Q:今後の目標は?
A:進学してラグビーを続け、トップリーグを目指したいです。2019年の日本開催のW杯も狙っていきたいと思っています。
ホポイ タイオネ氏Hopoi Taione
今回の遠征のコーディネーターで、遠征団とウエスタンフォースとの橋渡しをし、元ラグビー日本代表の経歴をもつ。
Q:今回の選手たちはいかがですか?
A:まだまだ体が小さくて柔らかいけど、これから練習を積めば、将来この中から何人かは日本代表選手が出ると思いますよ。

Q:日本のラグビーのレベルについてどう思いますか?
A:自分たちの頃に比べ、レベルは高くなってきていますね。

Q:どうすれば、より日本のラグビーが強くなると思いますか?
A:ラグビーは高校から始める子が多いけど、野球やサッカーのように子どものときから育てていかないと強くならない。それができれば、もっとレベルアップすると思います。
 
 社会
  ゴルフボール大のヒョウと大雨がパースを直撃
3月22日(月)午後4時頃、大雨・ヒョウ・雷が、パース市から北に約30kmのジュンダラップから、同じく南に約80kmのマンジュラのはるか南方まで広範囲に渡り直撃。最大瞬間風速33mの強風と、午後3時から5時の2時間の間で63mmを観測する大雨、さらにゴルフボール大のヒョウと激しい雷が、都市部に大きな被害をもたらした。
電力供給の要であるノースパースの変電所に雷が落ちた影響で、少なくとも158,000世帯に停電が発生、回復は翌日昼頃までずれ込み、多くの住人らが一晩電力のない生活を強いられた。また、市内の150ヶ所以上の信号機も停電の被害に遭い、帰宅ラッシュ時と重なった道路は、交通混乱に陥った。警察当局によると、車輌の衝突事故の報告は少なかったものの、洪水や視界不良により深刻な交通渋滞が発生。バスは大幅に遅れ、電車も停電の他、線路に降った瓦礫の影響で徐行運転を余儀なくされるなど、ダイヤの混乱は長時間に及んだ。パース空港を離発着する航空便にも欠航や遅れが相次いだ。
  またヒョウにより、フロントガラスの破壊などの被害を受けた車輌は何千台にも及び、街中にはフロントガラスに銃撃を受けたような車輌の姿が目に付いた。消防救急センターには、電線の断裂、屋根の崩壊、窓の破損、木が倒れるなど、被害の報告や助けを求める緊急電話が殺到。一時電話回線がパンクに陥るなど、かつてない状態に現場は混乱を極めた。ヒョウと洪水の被害は病院にも及び、サー・チャールズ・ゲアードナー病院によると、病院の至るところに大きな被害が発生したため、外来患者の受付終了や手術の延期などをせざるを得なかった、とのこと。
  キングスパーク近辺のマウンツベイ・ロードに住む100名以上の住人は、地滑りを恐れて、パース・コンベンション・エキシビジョン・センターへ避難した。また、駐車場に停めてあった車輌や周辺家屋が泥に飲み込まれる被害なども発生し、住人らは後処理に追われることとなった。
  床上浸水の被害もパース市内や近郊の至る個所で発生。パース北部の数多くの学校では、大規模な洪水被害のため、翌日23日は休校の措置が取られた。気象局によれば、大雨はマウント・ローリー駅周辺で39mm以上、スワンボーンの観測所では48mm以上を記録した。コリン・バーネット西オーストラリア州首相は、「今回の嵐による被害総額は数百万ドルに及ぶと見ている」と見解を述べ、気象局は「今回の嵐はここ数十年の中で最も大きなものであった」と発表した。
 
 芸能
  時代を超えて伝わる落語は国境も越えた
落語家、桂吉朝門下の桂あさ吉さんによる英語落語公演が、3月22日、23日の2日間に渡り、西オーストラリア州立図書館で行なわれた。会場には2日間で約200名の観客が訪れた。観客にはオーストラリア人の他、各国からの人たちの姿も見られたが、笑うタイミングは全く同じで、会場は終始大きな笑いに包まれた。公演前の桂あさ吉さんにお話を伺った。
インタビューに応える桂あさ吉さん。

Q:オーストラリア、アメリカ、シンガポールと海外で多くの英語落語公演をされていますね。英語落語を始められたきっかけは?
  桂あさ吉さん(以後K):約10年前に、大島きみえさんと桂かい枝さんの英語落語ツアーに「一緒にやってみないか」と声をかけてもらったのがきっかけです。

Q:江戸時代から伝わる古典落語を英語に訳され、演じていらっしゃいますね。以前から英語は得意だったんですか?
  K:英語は苦手でした。けれど、落語が好きだからできているんだと思います。

Q:海外公演を行なうにあたり、難しい点はどんなところですか?
  K:まず舞台づくりですね。事前に入念な打合せをしても、なかなか思うような舞台にはならないことが多々あります。以前舞台が低くて、お客さんから僕の頭しか見えないということもありました。あとウケると思っていたところがそうでなかったり、予想外のところがウケたり、なかなか自分の予想通りにいかないことがよくあります。いつも事前にいろいろネタを用意しておいて、お客さんの反応を見ながらネタを省いたり増やしたり、1回1回の舞台を経験しながら改良を重ねています。

Q:では、初めてのネタを下ろされる時は緊張されるんでしょうね。
  K:舞台は初めてのネタをやるかどうかに関わらず、例えどんな小さな会場であっても毎回緊張しますね。

Q:英語落語ならではの面白さは何ですか?
  K:英語落語の醍醐味は、海外公演なんですよね。日本人はユーモアが足りないなんて思われているけれども、伝統的な日本の笑いのスタイルで、現地のネイティブの方に笑ってもらえる、これこそ英語落語ならではの魅力だと思います。

Q:英語落語がすでに前衛的ですが、何か次に挑戦しようと考えていることはありますか?
  K:今回、落語の他に笛の独奏や南京玉すだれもやります。海外公演でこれらをやるのは今回が初めてです。1つの総合的なエンターテイメントとして、様々な日本の伝統的な文化を海外の皆さんに紹介できたらいいな、と考えています。

取材協力:在パース日本国総領事館


普段撮られる側の桂あさ吉さんが客席を撮影。観客にカメラを向けると、大きな笑いが。

 
 社会
  西豪州への修学旅行向けの研修旅行で、
露天掘り鉄鉱石鉱山を視察
東京都世田谷区の駒場学園高校理科教員の斉藤誠一先生が、西オーストラリア州の鉄鉱石産地・トムプライス鉱山を訪れた。資源輸入国である日本では、資源開発エンドの教育が未だ浸透されていないことから、露天掘り鉄鉱石鉱山を訪問することで、教え子を含めた高校生たちの理解を進めたい、といった考えのもと、今回の視察が行なわれた。斉藤先生は大学で地質学を学び、北海道夕張の工業高校で炭鉱について教鞭をとった経歴を持つ。
駒場学園高校
斉藤誠一先生

Q:トムプライス鉱山を実際に見られていかがでしたか?
 斉藤先生:ただただ圧倒されました。日本の炭鉱も拝見したことがありますが、これだけの規模で地層が重なるトムプライスの縞状鉄鉱床や大規模な露天掘りは、日本とは全くスケールが違います。そこに日本のクボタやコマツの超大型ダンプカーやショベルカーが通り過ぎていく。日本の鉱山で使われているトラックの5〜6倍はありました。自然と現場の巨大さにカルチャーショックを受けました。

Q:教え子たちに見せるという点ではいかがでしょう?
 A:日本で絶対見られないものを見られる場所として、実際に目で見て、体感させたいなと思います。高校の理科の教科書に、30億年前に酸素があり光合成が行なわれていたことの証拠として縞状鉄鉱床の写真が出ています。それを実際に見られるというのは、いい教材であると思います。

取材協力:西オーストラリア州政府観光局

 
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