5月22日、西オーストラリア(WA)州の日系の団体、学校関係者、旅行関係事業者、留学生サポート事業者の代表者らが集まり、佐藤虎男総領事の同席のもと、新型インフルエンザやWA州の治安状況などをテーマとした安全対策協議会が在パース日本国総領事館で開催された。
主要テーマとなった新型インフルエンザに関しては、感染が確認された国と総感染者数は5月21日の時点で41カ国、11,034人であることが述べられ、その中でオーストラリア国内では5月22日現在で10人の感染者が確認されていると発表された(6月5日の同館の報告で、感染者数は1,006人とされた)。また、鳥インフルエンザと新型インフルエンザの特徴の違いについても言明され、鳥インフルエンザは毒性が高く感染すると重症になりやすい高病原性であることに対し、新型インフルエンザは毒性の低い低病原性で致死率も低いことが挙げられた。しかし、新型インフルエンザは糖尿病等の疾患を持つ人の場合は重症となる可能性も示され、ある程度の接触をもとに、ヒトからヒトへの感染がしやすい特徴もあることが留意点として指摘された。
さらにオーストラリア連邦政府による入国者への水際対策、日本の状況、日本政府の対応についても報告された。
感染予防については、感染経路としてくしゃみや咳を介してウイルスを吸い込むことによる飛沫感染と、ウイルスが付いた手で目や口などの粘膜に触れることによる接触感染があることから、個人の感染予防として外出をする際は人ごみに近づかないことや手洗いやうがいの徹底などが挙げられた。また在パース日本国総領事館では最新情報を、同館のホームページ(www.perth.au.emb-japan.go.jp)や日本食レストランなどへの掲示、在留届を元にしたEメールでの緊急一斉メールなどで提供していることも報告された。
WA州の治安状況については、近年の同州の犯罪傾向に関する重要事項として、暴行傷害の件数が5年前と比較して急増していることが発表され、危険を感じた場合は抵抗せずに身の安全を確保することを第一に考えることが重要であるとされた。また侵入盗に関しては、WA州は2007年の統計で人口10万人当たりの発生割合を示す犯罪発生率が国内1位となっており、長期間留守にしていると見られる家屋が被害に遭いやすいため、郵便ポストに郵便物をためない、車を長期間同じ場所に停めないなどの対処が提示された。さらに、銀行のATM機を使ってのカードスキミング被害については、WA州内では今年3月から4台のスキミング装置が発見され、被害総額は約145,000ドルであることが報告された。そのため、ATM機の使用時にはカード挿入口に不審物が取り付けられていないかを確認し、PINコードは片手で覆って入力するといった対処法が示された。
協議会の最後に、今後も日豪政府のウェブサイト等で安全に関する最新情報を定期的に入手することが呼びかけられた。
情報提供:在パース日本国総領事館
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