パースエクスプレスVol.135 2005年4月号


≫ 日本観光セミナー 開催
≫ パースの高齢者介護事情を紹介
≫ 全豪サーフライフセービング選手権に日本選手団が挑戦



 社会
  日本観光セミナー 開催

3月10日、日本政府観光局(JNTO)のシドニー事務所などが主催した日本観光セミナーが、パース日本国総領事館の多目的ルームにて行われた。

今回のセミナーは、航空券や海外旅行の販売を手掛ける日系やパースの旅行会社らを対象に、改めて日本の魅力を知ってもらおうと、JNTOのほかキャセイパシフィック航空、東京都や京都市の観光振興を手掛ける豪州オフィスの代表者、そして特別ゲストに当地テレビ局のチャンネル9で放送中の“Gurus Explore”に出演するTrevor Cochraneさんらが講演を行った。

JNTOシドニー事務所を代表した垣本豊氏は、日本の基本情報や観光客数の推移、観光地としての治安の良さや見所などを説明。また、京都市の観光振興を手掛ける豪州オフィス代表の井上喜和氏は、同市が2007年より市内の『セブンイレブン』や『スターバックス』全店と観光協定を結び、『京都市まちなか観光案内所』として海外からの観光客をサポートできるよう、スタッフへの英会話講習や店頭でのマップ配布など、観光客受け入れの取り組みを行っていると発表した。

JNTOは、ニューヨークや上海など世界13都市に事務所があり、海外での日本の観光宣伝活動などを行ない、日本の国際観光の振興を図っている。JNTOシドニー事務所の所長、堀内丈太郎氏によると、2006年度のオーストラリア人の来日者数は約19万5千人だったのに対し、2008年には24万2千人となり、年々増加傾向にあるという。同氏は、「JNTOは、今後も継続して各関係機関と協力し合い、日本の魅力をPRしていく」と語った。

取材協力:日本政府観光局(JNTO)


JNTOを代表して、日本の魅力を語る垣本氏。

 
 社会
  パースの高齢者介護事情を紹介

バラエティ、ワイドショー、生活情報番組としてフジテレビで放送中の『スパイスTV どーも☆キニナル!(月〜金曜日、午前9:55〜11:25)』にて、3月18日、19日に『オーストラリア介護特集』としてパースの高齢者介護について紹介された。当番組撮影のためパースを訪れたディレクター、カメラマン、ジャーナリスト、そして通訳者に今回の撮影やパースについて伺った。

ディレクター 光田 紀世さん
「パースはきれいな街ですね。自由なのに、すごくモラルがあるように感じました。撮影について突っ込んだ話を視聴者に紹介するためには表面的な事に留めるのではなく、どこまでカメラが入り込めるかが重要となってきますが、今回は皆さんとても協力的で、また気を遣って頂いたので上手くできたと思います」

カメラマン 宮田 真さん
「撮影をしていて、風が入ってくる、オープンな感じを受けました。その外からの風は、映像にも反映されていると思います。パースは、大都会なのにゆったりしている、といった印象を受けました」

日豪の高齢者介護に詳しい
ジャーナリスト 中村 聡樹さん

「パースに来るのは、もう10回以上になります。感じていることは、ここ豪州の介護の現場において、皆さん自由でかつ権利を行使するけど、義務と責任も明確にあり、選んだことへの結果には文句を付けない、ということです。想定外が起きることが前提で、お互いに認め合い、必ずコミュニケーションを取る。今の日本では、まだそれはできていないでしょう。それを日本の現場がどのように取り込めるか、ということが今後の課題となると思います」

通訳 ヘザー グラスさん
(Japan Australia Word Services)

「日本の視聴者の方に、豪州の高齢者介護の実情を見て頂けたら嬉しいと思います。介護の問題について、マニュアル通りのサービスが日本のスタイルならば、豪州ではマニュアルに載っていないことがサービスなんだ、ということを今回の放送で日本の人に紹介できたらと思いました」


在宅介護を行っている家庭の取材・撮影の様子

 
 スポーツ
  全豪サーフライフセービング選手権に
日本選手団が挑戦

3月19日〜22日の4日間、スカボロー・ビーチで全豪サーフライフセービング選手権大会(Australian Surf Life Saving Championships)が開催され、オーストラリア全土から8,000人以上のライフセーバーが集まり、日頃の訓練の成果を競い合った。

 今大会には、日本ライフセービング協会に認定された強化指定選手約70名のうち16名が海外強化合宿の一環として参加し、世界トップレベルにあるオーストラリアのサーフライフセービング競技に挑戦した。また、日本選手団としての出場は2年ぶりとなった。
 多くの日本人選手が予選敗退という結果となった大会初日を終え、雨模様の大会2日目では、ビーチ・フラッグスの予選が行われた。この種目では、2年前の大会で日本人選手が男子の部で銅メダルを獲得し、また男女1名ずつがそれぞれ上位入賞を果たしている。期待がかかるこの種目において、今年で同大会9年連続の出場となった本多辰也選手は予選を危なげなく突破し、翌日の決勝進出まであと1レースとなった準決勝の第4回戦まで進んだ。しかし、強者揃いのグループの中で出遅れてしまい、決勝への道を絶たれてしまった。本多選手はレース後、「この大会のビーチ・フラッグスではこれまで3位が最高でしたので、それ以上を目指していました。しかし、あと一歩というところで決勝を逃してしまい、とても悔しいです。来年は10回目の出場になるので、ただ出るだけではなく、これまで以上の結果を目指して今後準備をしていきます」と、来年に向けての抱負も語った。その他、同種目では北矢宗志選手が準決勝の第2回戦で敗退するなど、出場した全選手が決勝に駒を進められず、オーストラリア人選手との高い壁を感じる結果となった。
 また同日、オーシャン競技のダブルスキーの準決勝に鈴木ひとみ選手・岡野彩選手ペアが出場したが、決勝進出には至らなかった。鈴木選手は「準決勝まで進んで、自分たちの息が少しずつ合ってきたという実感がありました。その分、準決勝に出場したからには決勝を目指していたので、悔しいです」と話し、岡野選手は「全豪選手権は初めてだったので、高いレベルの中で準決勝まで進めたことは良かったと思います」と語った。  大会3日目には、男子サーフレースの長竹康介選手と中島章選手が惜しくも準決勝で敗退し、女子サーフレースでは鈴木ひとみ選手が準決勝で敗れたものの、藤波佳恵選手が見事決勝進出を果たした。藤波選手は翌日行われた決勝戦で、上位入賞にはならなかったが、選手団全員の声援を受けて健闘した。
 多くの選手が予選敗退となった今大会について、日本ライフセービング協会競技力強化委員長の遠藤大哉氏は、「結果としては良くありませんでしたが、それ以上に世界最高峰のオーストラリア人選手たちの技術を目で見たり体感したりしたことは、選手たちの良い刺激になったと思っています。負けた悔しさを刺激にして、日本に帰ってからまた頑張ってほしいです」と、今後の活動への期待を述べた。  

2007年から続いた同大会のスカボロー・ビーチでの開催は今回で最後となり、次回はクイーンズランド州ゴールドコーストにあるカラワ(Kurrawa)で行われる。

取材協力:日本ライフセービング協会


全豪選手権に参加した日本の強化選手のみなさん


本多辰也選手は、地元オーストラリア人選手と互角の戦いを繰り広げた。準決勝第3回戦では、他選手とチューブを同時に掴んだため、レースがやり直しとなり、一騎打ちでの勝負となった(上写真)。


ダブルスキーで準決勝に進んだ、鈴木ひとみ選手(写真左)・岡野彩選手(写真右)ペア。

 
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