西豪州環境保全協会(Conservation Council Of WA)が主催し行われた約1,000人(主催者発表)によるこのデモ行進は、パース市南のエスプラネードから州議事堂までの行程を約45分間かけて行われた。今回の背景には、今年9月に実施された州政府議会選挙で勝利した自由党が、それまでの労働党政権下で継続されていたGMOのモラトリアム(一時栽培停止措置)継続方針とは逆の立場をとり、遺伝子組み換えがされた綿花の商業用栽培の認可や、カノーラの試用的栽培を計画していることがあった。参加した農業関係者や消費者などはプラカードを掲げ、通行人への資料の配布などとともに大きな声でモラトリアムの継続と試用栽培前の徹底したリスク調査を求め、現州政府の方針に反対する意思を強く示した。
また、州議事堂前では国営放送ABCの人気番組“Gardening Australia”の元司会者で自然保護論者のPeter Cundall氏や、日本消費者連盟の纐纈美千世氏ら反対派による演説が行われたものの、州政府のTerry
Redman農業・食品省大臣が現政権のGMO栽培推進の立場を改めて表明するかたちとなり、参加者たちから非難の声が上がった。また、Redman大臣には反対派27,000人の署名が書かれた陳情書が手渡された。
纐纈氏は、「結果はまだ分かりませんが、今回、オーストラリア人の一人ひとりのすごく強い、切実な気持ちを感じることができました。これからも一緒に働きかけていきたいです」と語った。
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パース市内をデモ行進する反対派の農家や消費者たち.
西豪州から農作物を輸入している日本の消費者を代表して、力強く演説をする纐纈氏(左写真)。 スピーチを行うTerry
Redman農業・食品省大臣(右写真)。
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