パースエクスプレスVol.130 2008年11月号


≫ 日豪経済合同委員会会議 パースで開幕
≫ 全豪日本語弁論大会 開催
≫ GMO栽培反対デモが実施



 社会
  日豪経済合同委員会会議 パースで開幕

今回で46回目となった日豪経済合同委員会会議(Japan-Australia Joint Business Conference)が、10月12日〜14日、ハイアット・リージェンシー・パース(Hyatt Regency Perth)で開かれた。

今回が初となったパースでの同会議には、日豪の主要ビジネス関係者や大学教授などの有識者、政府関係者ら約300人が出席した。会議では経済改革、気候変動、エネルギー問題、イノベーションやコラボレーション、などに焦点が当てられ、それぞれで両国の経済界を代表する企業役員や著名人などがスピーチやプレゼンテーションを行い、今後の両国関係の方針策や両国が抱える諸問題について議論された。
 第23回日豪/豪日経済委員会運営委員会や歓迎レセプションが行われた初日には、レセプションでKen Michael西オーストラリア州総督が歓迎の挨拶を述べ、全体会議は2日目から始まった。午前中には『国内の経済改革は、日/豪のグローバルな競争力を強化しているか』という主題で、オーストラリア側からはオーストラリア商工会議所所長のTony Howarth氏が、日本側からは三菱商事株式会社代表取締役社長の小島順彦氏がスピーチをした。そして午後は『気候変動への対応』について、オーストラリア国立大学のRoss Garnaut教授と新日本製鉄株式会社代表取締役社長の三村明夫氏がそれぞれの見識を発表、その後のエネルギーに関する議題では天然ガス、石炭、ウラニウムの各エネルギー資源に分けてプレゼンテーションが行われた。
 最終日となった3日目は、まず『新技術説明会』が行われ、冒頭では2005年にノーベル生理学・医学賞を受賞したBarry Marshall教授が『イノベーションとコラボレーション:未知への冒険』をテーマとした基調講演を行い、西オーストラリア州の7企業よりそれぞれが開発している革新的な製品やテクノロジーが紹介された。引き続き、教育、観光、金融サービス、エネルギーと資源などの分野のイノベーションとコラボレーションについて、それぞれで意見交換や論議がされた。
 最後に、議長の豪日経済委員会会長のRod Eddington氏が議長総括を述べ、昨年より交渉が進められている日豪経済連携協定(EPA)のできるだけ早い時期での締結への努力を両国政府に働きかける共同声明が採択され、閉幕した。


共同記者会見で質問を受ける小島氏(左)、Rod Eddington氏(中央左)、日豪経済委員会会長の今井敬氏(中央右)、三村氏(右)。
 
 社会
  全豪日本語弁論大会 開催

10月18日、シドニーのニューサウスウェールズ州立図書館にて第39回全豪日本語弁論大会が行われた。

 全豪大会では、各州で選ばれた代表者たちが今大会に向けて更に向上した日本語力や、スピーチスキルなどの成果を披露し、会場の観客や審査員たちに熱いメッセージを語った。

西オーストラリア(WA)州からは州予選を勝ち抜いた3名の代表者が出場し、高校生部門でShayrol Chuaさん(St Mary's Anglican Girls School)が『人生の旅の花束を』で高い評価を得て、2位入賞を果たした。同部門1位は、『将来の夢』をスピーチしたクイーンズランド(QLD)州代表のVicky Kimさん(Brisbane Girls Grammar School)が受賞した。
 オープン初心者部門では、タイトル『日本の捕鯨』を発表したQLD州代表のSam McDonaldさん(Bond University)が第1位に、WA州代表のGil Hwan Kimさん(Edith Cowan University)が『温泉』についてスピーチをし、特別賞を獲得した。
 オープン部門は、ビクトリア(VIC)州代表のLance Truongさん(Monash University)の『「かわいい」とは』が1位に、2位は『外国旅行』について述べたWA州代表のMeredith Simpsonさん(Edith Cowan University)が見事受賞した。
 今大会、WA州代表者は全員が入賞という輝かしい結果を残した。

情報提供:在パース日本国総領事館、エディス・コーワン大学日本語学科

 
 社会
  GMO栽培反対デモが実施

10月30日、GMO(遺伝子組み換え作物)栽培に反対する農家や市民などが、パース市内で反対デモを行った。

 西豪州環境保全協会(Conservation Council Of WA)が主催し行われた約1,000人(主催者発表)によるこのデモ行進は、パース市南のエスプラネードから州議事堂までの行程を約45分間かけて行われた。今回の背景には、今年9月に実施された州政府議会選挙で勝利した自由党が、それまでの労働党政権下で継続されていたGMOのモラトリアム(一時栽培停止措置)継続方針とは逆の立場をとり、遺伝子組み換えがされた綿花の商業用栽培の認可や、カノーラの試用的栽培を計画していることがあった。参加した農業関係者や消費者などはプラカードを掲げ、通行人への資料の配布などとともに大きな声でモラトリアムの継続と試用栽培前の徹底したリスク調査を求め、現州政府の方針に反対する意思を強く示した。
 また、州議事堂前では国営放送ABCの人気番組“Gardening Australia”の元司会者で自然保護論者のPeter Cundall氏や、日本消費者連盟の纐纈美千世氏ら反対派による演説が行われたものの、州政府のTerry Redman農業・食品省大臣が現政権のGMO栽培推進の立場を改めて表明するかたちとなり、参加者たちから非難の声が上がった。また、Redman大臣には反対派27,000人の署名が書かれた陳情書が手渡された。
 纐纈氏は、「結果はまだ分かりませんが、今回、オーストラリア人の一人ひとりのすごく強い、切実な気持ちを感じることができました。これからも一緒に働きかけていきたいです」と語った。


パース市内をデモ行進する反対派の農家や消費者たち.


西豪州から農作物を輸入している日本の消費者を代表して、力強く演説をする纐纈氏(左写真)。 スピーチを行うTerry Redman農業・食品省大臣(右写真)。

 
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