2月26日(土)から3月10日(土)まで、日本科学未来館発の巡回型展示会、『疾走するファイバー』展が西オーストラリア大学(UWA)にて開催される。
ファイバー研究では、世界のトップレベルにある日本の技術。糸や布など普段は脇役のイメージが強い繊維だが、実際はその柔軟性と強度から、医療や宇宙開発、スポーツなど最先端の科学技術の分野で幅広く使用されている。
今回の展示会は、昨年7月、アラン・カーペンター西豪州首相が日本の三井物産株式会社を訪れた際、在パースの日本企業として40年以上の歴史を持つ豪州三井物産株式会社とともに、「学生を中心とした、将来を担う若い人達に刺激を与えられるようなイベントはできないか」と提案したところから始まった。天然資源のイメージが強いオーストラリアだが、今後はそれだけではなく、技術やITなどのソフト面も充実させていきたいという西豪州政府側の意向と、日本の最先端技術を視覚、感覚的にわかりやすく見てもらうことで地域の発展に貢献したいという三井物産側の願いが合致し、UWAと日本科学未来館、社団法人繊維学会の協力を得て、この『疾走するファイバー』展は実現した。
期間中は、サメの皮フにヒントを得て摩擦と抵抗を減少させる競泳水着や、はさみで切ることのできない布、重さ700キロの車を吊り下げることのできる厚さ1ミリの繊維など、普段は滅多にお目にかかることのできない最新の未来型繊維が多数展示される。その他にも直に触れることができる体験展示や、サンプルを使った実験ショーなどがあり、年齢を問わずに楽しめる内容となっている。
UWAの副総長アラン・ロブソン氏は、「この展示会を通して、訪れた人が環境や科学の役割について今一度考える機会になれば」と話し、また豪州三井物産パース支店長の岩橋史明氏は、「資源開発の枠を越えて、今後も継続して西豪州地域の文化や教育、環境に貢献していきたい」と語る。
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写真左:日本科学未来館で開催された『疾走するファイバー』展のタワー
写真右:オリンピックのスピードスケートに使用された、空気抵抗を最小限に抑えるユニフォーム |