[第4節] 初めの一歩

後半立ち上がりは、パース・グローリーのペースだった。そして15分、ミッドフィールダーのSimonがペナルティエリア手前、ゴールまで約20m付近で倒され、フリーキックを得る。そのフリーキックを、前半にペナルティキックを決めているBobbyが蹴った。カーブ回転が掛かったボールは、キーパーが懸命に差し出す左手の下をすり抜け、パース・グローリーの勝ち越し弾となった。7089人の観客は、一斉に立ち上がり、パース・グローリー初勝利への希望を現実味の帯びたものにした。

後半の20分までプレーした石田だが、随所に光るプレーを見せた。石田がボールを持つと、何かが起こるといった期待を感じさせる。観客も「Fancy(ファンシー=型にはまらない創造的な)」といった言葉を連発して、彼の動きに注目する。そのFancyを象徴付けるようなプレーがあった。

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