[第13節] 外国人選手

欧州では、1995年に当時現役のサッカー選手が起こした裁判によって、EU加盟国籍所有者の就労は制限されないとした労働規約をサッカー選手にも適用するといった判決が下された(ボスマン判決)。つまり、EU加盟国の選手であればEU域内では外国人として扱われなくなったのだ。例えば、フランス人サッカー選手がドイツのクラブでプレーしても、外国人としての扱いはされなくなった。ちなみに、日本人がドイツでプレーするには、「外国人枠」の適用を受けることになる。先月、マレーシアのクラブと契約を交わした石田は、外国人選手に当たるため手続きが必要で、その手続きのため参戦が1ヶ月も遅れた。マレーシアにも「外国人枠」の規定が存在する。
 この「外国人枠」という制度は、自国のリーグでプレーする選手の出場機会を保護する一方、他国からの技術輸入を受け入れないという内向的側面から、レベルの向上には妨げになっているとも言える。レベルの高い欧州での挑戦を試みる日本人選手にとっても、この「外国人枠」があるゆえに、プレーの場が狭められているのは事実である。
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