Vol.193/2014/02
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竹下亘氏の選挙活動の様子。各集落の世話役を動かし握手を徹底的にこなす「どぶ板」で圧勝した。 |
冬の季節風を防ぐため、出雲平野には「築地松」という独特の景観が形成された。 |
出雲の狛犬は、2体のうち1体が頭を低く伏せるのが特徴だ。 |
藤岡さんにとっての「ふるさと」とは、塵ひとつない、畦には雑草もない箱庭のような、「出雲国風土記」で「みのりたわわ」と描かれた田園風景だ。そんな農村風景は減反で激変し、黄金色の稲穂の間にヒエがいくつも頭を出し、畦に雑草がはびこるようになった。昔は、田んぼにヒエが生えていたら「あそこの家は怠け者だ」と噂されるから必死に抜いていた。そんな農民の心はいつしか消えてしまった。
「ふるさと再生」とは、昔の美しい農村を取り戻すことを意味する。そういう感覚があるから「ふるさとを守る」という竹下亘陣営の訴えは、斐川町周辺の穀倉地帯の人の心に響いたという。「還暦以上の人は、竹下登さんは地域社会にいろいろやってくださった、と情義みたいなものを感じているんです。そんなところに、地元まで足を運んでくれたら、投票しようという気持ちになるんでしょう」。藤岡さんは選挙を振り返った。(2009年)