第28話 「まかれたえさ」

 「MORIO、ビリジアンメタリックの911カレラは2年前に10台輸入されただけだ。それでそのうちの4台がこの街にあるらしい。」
 翌日の夕方、キャシーズの休憩室でチャーリーはそう僕に話しました。
 「それでおまえの方は?」
 「僕は今日、朝からタマラマ一帯の高級アパートメントを中心に一応全部見てまわったけれども、スポーツカーは見当たらなかった。」
 「まあ、MADISONもおまえの安全を考えるとタマラマには近づかないようにしているに違いないからな。それでここから先だが、おまえ何かいい考えでもあるのかよ?」
 「チャーリーはどう思うの?」

    
 
 「ばか、わざわざこのクソ暑い中をおまえのために車店まわりなんかしてやったんだぞ。それぐらいてめえの頭で考えて見ろ。」
 チャーリーの言う通りでした。
 


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