該当の車を目撃した場合、ナンバー、目撃場所、日時、それと可能であれば中に乗っていた人間の特徴を添えて、チャーリーのモーバイルに毎日夕方TAXI会社から連絡してもらうこととしました。情報1件につき謝礼を50ドルと決めて、チャーリーのキャッシュカードから3つの会社にそれぞれ100ドルづつをデポジットしました。
 僕はチャーリーにお金は明日必ず返すと約束してから、もうひとつの考え、つまりポルシェのディーラーに撮影とかなんとか嘘を言って、車のオーナーの連絡先をつかめないものかどうかを聞いてみました。
 「もうやってみたよ。」
 チャーリーは間髪を入れずに答えました。
 「それで?」

 「住所は教えてくれたよ。ただしキングスクロスのな。」
 そのあと僕達は洗車場や空港という線についても考えてみましたが、市内にある洗車場については、あれだけの高級車を機械で洗わせるわけがないという結論から、空港のパーキングについては麻薬のディーラーという仕事柄、今回のように家まで引越すほどの人間が飛行機の中にいる時のような拘束される場所を自分から選ぶはずがないという理由で、いずれの線も確率は低いと結論づけました。

 あとはチャーリーの言うように辛抱強く結果を待つほかに、MADISONを助け出す道はありませんでした。とにかく餌はまかれたのですから。

つづく

   


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