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 いくら職場の同僚だからとはいえ、僕のしていたことはおんぶに抱っこと変わりありませんでした。チャーリーが元刑事だったことを知ってから、知らぬ間に彼に頼ろうとしていたことも確かでした。
 盗難車ということで新聞に広告を出してみようかとも考えましたが、そんなおおっぴらな方法ではジェザの居場所を突き止める前に逃げられてしまうに決まっていました。いいアイディアも思いつかないままに夜明けの海岸を歩いて一人バチェラーに向かいながら、チャーリーが言っていた言葉を思い出していました。
  「MORIO、こういうことはな、あせった方が負けなんだよ。いいか、じっくり考えて、少しずつ詰めていくようにする意外無いんだ。」

 

  なぜか、チャーリーの言葉使いが変わってきたことに気づきました。この間までのべらんめえ調が影をひそめて、なんだか本当の刑事のような話し方に戻ってきているのです。僕も変わったけれども、チャーリーも間違い無く変わりました。とにかくどうしたらビリジアンメタリックの911カレラを探し出せるか、今はいろいろな雑音を捨ててその一点に集中する以外にありませんでした。
 ずいぶん悩み続けたわりには、答えは身近な出来事から見つかりました。

 翌日、キャシーズに向かう途中で交通事故を目撃したのです。交差点を右に曲がろうとした車が直進してきた車に接触して、歩道に乗り上げたのでした。