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パースエクスプレスVol.144 2010年1月号

 一方、現在、円高とデフレ傾向で苦しんでいる日本経済の2010年は、相変わらず厳しい状況であり、2番底にまで落ち込む可能性もあるといった予測だ。日本経済の回復の要因は、やはりアメリカ経済の回復と輸出の伸びにある。日本の課題の1つとして、新興国向けの輸出をもっと考慮し、日本の技術力を各国のニーズに合わせて生かすことにあるが、これには現在の円高がどこまで緩和されるかという問題にも関わってしまう。

  オーストラリアが今年、15%までの株価上昇が見込まれているというのは、国民にとって明るいニュースだろう。しかし、その裏をよく考えると懸念される部分もあると感じるのは筆者だけであろうか。現在の経済好調の主な要因に、中国との良好な関係が挙げられているが、少しでも中国国内に問題が起こればオーストラリアへの影響は免れない。今年開催される上海万博の出来如何によっては、オーストラリアも楽観してばかりもいられないだろう。一国との関係が先行してしまうためのリスクもあるのだ。こういったメディア情報をより深く理解するには、情報の行間をよく読み取り、自分なりに判断する必要がありそうだ。

<筆者のプロフィール>
東京生まれの元祖ワーホリ。日本企業のエンジニアを辞職し、日豪で計3年間の修行の後、日本語教師となる。パース在住15年、日本語教師歴11年。ペンネーム「ブッシュウォーカー」。