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パースエクスプレスVol.139 2009年8月号

 日本でも、数年前に大手の英会話スクールの倒産事件があった。英語教師への給料の支払いはストップし、学生への授業料返済もままならず、両者は泣き寝入りを余儀なくさせられた。外国人を相手にする日本語学校などは、各国の経済の影響がもろに出るので、大変不安定だ。以前、雨後の竹の子のように出てきた国内の日本語学校も今では静かなものだが、ブームに乗った学校経営であったとも考えられる。また今では若者の人口が以前より減少しているため、定員割れする大学も少なくないようだ。今後、日本での学校経営はますます厳しくなりそうだ。

 今回の事件で思ったことは、経済不況における教育の過剰なビジネス化だった。経営者が教育を金儲けの手段と考え、事業や設備投資の拡大に走り過ぎ、予想外の負債が生じた結果、こういった学校の倒産に至ることが多い。まあ裏を返せば、事業拡大を派手に進めるような学校には要注意ということだ。整った設備やきれいなキャンパスも良いが、やはりコース内容と教師の質で学校を選んでもらいたいものだ。経営者も教育に無関係でMBA取得のみ、なんていうのも疑った方が良い。またこの事件は、留学生への警告でもあろう。勉強よりもビザ取得を目的とするような留学生も、簡単に入学できればどこでも良いなどと考えないことだ。これから留学を考えている皆さんには、こういったことを良く考えた上で、学校を選び、貴重なお金と時間を無駄にしないでほしい。

<筆者のプロフィール>
東京生まれの元祖ワーホリ。日本企業のエンジニアを辞職し、日豪で計3年間の修行の後、日本語教師となる。パース在住15年、日本語教師歴11年。ペンネーム「ブッシュウォーカー」。