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パースエクスプレスVol.137 2009年6月号

今回の調査で世界恐慌を乗り越えた国をランク付けしているが、1位のオーストラリアに続いて、2位中国、3位はインドとシンガポール、日本はカタールと並んで7位となっている。

日本でも経済不況の話題は絶えず、メディアでも毎日のように企業の倒産、工場の閉鎖、解雇といった記事を目にする。労働者にとっては不安が募るばかりであるが、今回の調査結果から見れば、世界のビジネスピープルは、日本はまだ欧米諸国よりはマシという判断を下しているようだ。まあ経済ダメージで直接、国民にどれほどの影響が出るのかは各国の事情によって異なるし、国民性もあるかもしれない。日本人は悲観的傾向が強いだろうから、精神的なダメージが事をさらに深刻化させてしまうとも限らない。
  また先の調査によると、25%のオーストラリア人ビジネスピープルが、世界恐慌に対するオーストラリア政府の対応の仕方を懸念していたという。明日に希望が持てないような報告を毎日のようにオーストラリア人が聞かされれば、オーストラリアのビジネスに損害を与えるということである。前出のMoufarrige氏はこの調査結果より、オーストラリアのビジネスが自信を回復できるように、メディアや政府によって支持されることを期待している。

今回は、現場とメディア情報の信頼性といったものを考えさせられたような気がする。メディアの情報の流し方により、国民の印象は大きく変わってしまう。一方、現場での調査結果というのも曲者で、どれほど信頼性のあるものかを考慮しなくてはならない。国民を洗脳するプロパガンダとなり得ることもあるからだ。溢れる情報をどう判断し、処理していくのか。今後、将来を上手く生き抜く上での鍵となりそうだ。

<筆者のプロフィール>
東京生まれの元祖ワーホリ。日本企業のエンジニアを辞職し、日豪で計3年間の修行の後、日本語教師となる。パース在住15年、日本語教師歴11年。ペンネーム「ブッシュウォーカー」。