ところで、こういった現在のオーストラリアの状況に比べ、日本はどうなっているのだろうか。公定歩合だけから見れば、95年以降では1%以下、2007年2月21日時点で0.75%というオーストラリアとは比較できない数値であり、住宅ローンもかなり手軽に利用できる状況だろう。また近年、民間銀行の金利が自由化したので、利用者は自分の好みで銀行を選択できるようになった。ただし、住宅自体の価格が高くては問題だ。相変わらず大都市近郊では高価な住宅が多いことだろうから、一般サラリーマンにはかなり厳しいかもしれない。日本でもかつて(70年代)公定歩合が9%という時期があったようであるが、金融不安が高まった2001年9月11日(アメリカテロ事件)以降には史上最低の0.1%を記録した。ちなみに、日本銀行は2006年8月11日より「公定歩合」を「基準割引率および基準貸付利率」というややこしい名称に変更した。しかし、逆の立場から見れば、こういった日本での低金利では、銀行預金で得られる利子利益はほんの僅かであるということを意味している。
今回の公定歩合引き上げにより、住宅ローンの金利も上昇し、一般市民にとってますます住宅の購入が困難となったオーストラリアだが、この状況がしばらく続けば、住宅売却数が増加し、住宅価格がしだいに下降してくるのではないだろうか。今後、この住宅難状況がどう展開していくのか興味あるところである。
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