ここ最近、オーストラリアの新聞、テレビといったメディアに毎日のように登場する話題といったら、オーストラリア人旅行者による麻薬所持、密輸問題だろう。昨年10月に続いて、今年の4月にも、大量の麻薬が共にインドネシア、バリ島のデンパサール空港でオーストラリア人旅行者から発見され、両国内では、論議が飛び交っている。この2つの事件は、状況は違うとは言え、一般の海外旅行者も麻薬所持、密輸の罪の重さというものを認識し、たとえ無実でありながらも、自分も被害者になる可能性があるということを十分に心得ておく必要があるというメッセージが込められているだろう。これは、日本人旅行者も例外ではない。ここオーストラリアで、現在も長期服役中の日本人がいるのだ。
ことの始まりは、昨年10月8日、バリ島のデンパサール空港でオーストラリア人旅行者の所持品バッグから4.1キログラムの大麻が発見されたことだった。容疑者としてその旅行者は即、逮捕となったが、その大麻は当人にはまったく関係のないものであるという容疑者の主張だった。4月21日より公判が始まっているが、容疑者が当地の法律で有罪判決を受けるとなると、死刑は免れたとしても終身刑という恐ろしいものだ。筆者には第3者による犯行のように思えるが、一度自分の手から離れた荷物の中に麻薬でも入れられたらどうにもならない。荷物に徹底して鍵をかけたり、外部のポケットなどを取り除くことが必要となる。他人事とは思えない厄介なことだ。
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