この問題を受けて、ここ西オーストラリア州の水資源相のコベルキー氏から「西オーストラリア州では、下水を再利用して飲料水とする計画はない。(7月31日 perthnow by "Sunday Times"より)」というコメントが出たが、これで西オーストラリア州の住民も安心したのではないだろうか。西オーストラリア州では現在、海水を処理して水を製造する計画を進めており、多手段での水の確保を試みている。また、再利用された水は産業用や公園などの散水用に使われている。

水の再利用については、日本でも積極的だ。2005年4月に国土交通省で「下水処理水の水質基準等マニュアル」が作成され、水洗用、工業用、環境用、融雪用等へ利用される処理水に各種の基準が設けられた。しかしながら、再利用もまだ飲料用にまでは至っていない。それは病原微生物の混入が問題となっているからである。技術的なことは分からないが、クイーンズランド州の試みでは、本当に衛生上の問題をクリアしているのかどうか、興味あるところだ。

オーストラリア国内では初めて、世界でも前例がほとんど無いというこのクイーンズランド州のチャレンジはまだ終わっていない。2年後の投票で支持が得られ、実施となれば、世界から注目を浴びるのは間違いない。水不足解消へ大きな一歩を踏み出すことになろう。しかし、その時にはこの町で家庭用浄水器がたくさん売れるかもしれないなぁ。

<筆者のプロフィール>
東京生まれの元祖ワーホリ。日本企業のエンジニアを辞職し、日豪で計3年間の修行の後、日本語教師となる。パース在住15年、日本語教師歴11年。ペンネーム「ブッシュウォーカー」。

 

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