北朝鮮のミサイル発射問題から中東情勢の悪化、といった国際問題が続いて新聞の主要紙面を占めているが、最近、オーストラリア国内で気になる話題として、水の再利用問題があった。飲料水として下水の再利用を試みようとする州側に、多くの住民が反対し、これが他州でも話題となり、物議をかもすこととなった。水不足解消の手段としての下水の再利用だが、まだ飲料水としてまでは住民に受け入れられていない。今回はこの水の再利用について考えてみよう。

広大な国土を持つオーストラリアだが、その大部分は砂漠で、人が住める地域は水を確保できる海岸沿いがほとんどだ。しかし、そういった地域でも気候の変動により水不足が深刻化することがあるが、今年はまさにそういった状況だ。今回の論議はクイーンズランド州トウンバでの水の再利用についてだが、下水を浄化処理して貯水池にくみ上げ、飲料水にするということについて住民からの反発が起きた。州側は、実際に住民に処理水を試飲させたりして説得を試みるが、「論議をよぶ住民投票で、クイーンズランド州南東部の町の住民約61%が下水を処理された水を飲料水にすることに反対した。(7月30日 The Ageより)」という結果となった。これまでの方法で水は確保できるため、死活問題にはならないようだが、州は2008年に再度、投票を実施するようだ。

さて、もし筆者がここの住民だったらどう考えるだろうか。正直に言って、やはり下水から生まれた水は口にしたくはないが、他に選択がないなら受け入れざるを得ないだろう。しかし、実施された場合、住民に心理的な影響を与えるのは間違い無いだろう。何かの原因で水が少しでも濁ったら、使いたくないし、異臭でもしたら住民はパニック状態になるだろうな。やはり住民から信頼を得るためには、しっかりと安全性を説明しなければならないだろう。また水道料や税金を下げるといったことで住民をサポートすれば、妥協する人も出てくるんではないかな。

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