先日、パースの中心街を歩いている時に、前を行く日本人の若者が吸っていたタバコを火種が付いたまま路上に投げ捨てるのを見かけた。最近あまり目にすることがない光景だっただけに、ちょっとショッキングではあったが、日本ではまだあることだったなと、考えさせられてしまった。喫煙も国が異なれば、その規則も異なるということを十分承知しなければならないのは当然だが、このタバコと喫煙について、現在、豪日でどのように扱われているのか、筆者の意見も交えて紹介しよう。
筆者が、喫煙に関して感じることといえば、ここ10年、パース内で喫煙する人が激減したのではないかということだ。まあ自宅でどの位の人が喫煙しているのかは知れたものではないが、街で喫煙している人をあまり見かけなくなったのは確かだ。もっとも公共施設やレストラン、カフェ内はすべてが禁煙となっているので当然ではあるが、筆者個人の職場、友人を見てもタバコを持つ者が少なくなっている。こういった禁煙者が増えている理由として考えられるのは、やはり連邦政府を中心とする喫煙撲滅キャンペーンや公共施設内での禁煙といった、環境作りがあったからではないだろうか。1996年から2004年までの間、「国内タバコキャンペーン」には政府が2130万ドルを出資して喫煙の排除を進めている(National
Tabaco Campaign Fact File)。テレビでは喫煙で健康を害することを強調するドギツイ広告が流れ、雑誌からはタバコの広告が消え、民間施設でも禁煙環境が増えつつある。また、電話で喫煙者からの相談を受ける「Quitline」といったサービスも設置し、タバコから離れたい人々をサポートしている。本気で国民に禁煙を促すなら、これ位やらなければだめかもしれないな。現在、連邦政府はタバコが健康に及ぼす影響を証拠立て、こういった影響を最小限に押さえる方法について専門家の意見を取り入れながら、タバコの規制を進めるといった新しい戦術を打ち出している。余談だが、かく言う筆者も実は以前、ヘビースモーカーだったのだが、辞めてしまった。禁煙のきっかけとなったのは、自分の周りにオーストラリアではタバコを嫌う人が多く、彼らに迷惑になること、喫煙できる場所が限られていたことなどから、辞めてしまった方がいいと思ったからだ。
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