Vol.200/2014/09
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パースには今回で20回目となります。大好きで、観光を重ねております。ただ、少々状況が変わりつつございます。 パースに私と主人が最初に訪れたのは、1984年でした。素朴さを残しながらもマイペースに発展し、類を見ない都市と自然の融合がとっても“愛らしく”感じたのを今でも覚えております。「子どもが巣立ったら将来はここに住みましょう」と主人と夢語り合いました。あれから30年の歳月が流れ、今年の3月に最後の子どもが巣立ちました。ただ、30年前のあの時のあの思いは、どこか消えていってしまいました。言葉には出しませんが、主人も同じ思いのようです。
何が変わったのでしょうか。月日が、私たちの考えを変えたのでしょうか。大好きという想いは変わらないので、私たちの変化ではなさそうです。ただ、永住して「住みたい」という思いは、徐々に薄らいできておりました。永住権取得も可能だと専門家の方から提案いただいておりましたが、お断りしました。
この30年という節目に、帰りの便を待つ空港で主人が「今回の旅で、パースは最後にしょうか…」とつぶやきました。寂しい思いで「そうですね」と自然と答えている私でしたが、どこかでほっとしている自分もおりました。上手く申し上げられませんが、30年前の“愛らしさ”が年を重ねるごとにパースから消えていってしまったように思います。勝手申し上げますが、“愛らしさ”が“烈しさ”へと変貌している中、住んでらっしゃる皆さんがちゃんとそれに向き合ってこられていることを切に願います。
パースエクスプレス200号、おめでとうございました。
<投稿者>斉藤 66歳 女性