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あなたの言いたいこと
Vol.153/2010/10

今回は、日本とオーストラリアの父親像についての投稿です。

オーストラリアのお父さんと日本のお父さん

オーストラリア人と結婚して子供は8歳と5歳、旦那とは10年の付き合いになります。この10年、いろいろなことがありました。恋愛、結婚、出産、子育て。もちろん、良いことばかりではなく、離婚を考えたこともあります。それも、1度や2度じゃありません。夫婦喧嘩の幅もそれぞれで、大きな喧嘩の時は子どもを連れて日本に帰ったこともありました。それでもなぜ今まで連れ添っているのか…。自分でも分りませんが、最近思うことがあります。

最初は旦那との間に言葉の壁を感じたこともありました。一生、私はオーストラリア人になれないし、旦那も日本人になれません。例えば、旦那の冗談が心から笑えない時などにそう思います。冗談の内訳を説明されても、笑えません。私はオーストラリアの文化を背負っていないからでしょうね。こんなことがありました。自分の父に旦那を初めて会わせた時のこと。冗談好きの父が「おさむちゃんで〜す!」と自己紹介したのです。パースエクスプレスでもおなじみのお笑い芸人“チャド”の師匠のぼんちおさむが一世を風靡したギャグを使ったのです。父の名前は本当に、修です。でも、旦那は無表情で右手を差出し、握手を求めたのでした。周りにいた私たちは大笑いでしたが、拍子抜けした父は泣く泣く握手に応えました。その晩、旦那から「何であの時、みんな笑ってた?笑わなくて、お父さんに失礼だったか?」って聞かれましたが、「Don稚 worry. That痴 just joke.」と言ってあげました。これって、旦那が日本のお笑いの文化を知らなかったから笑えなかったわけで、逆も然りです。旦那が子供の頃、パースで流行ったコマーシャルをもじったギャグを私に言っても、私はニコリともできません。お互いに仕様がないことです。

そんな旦那とはある程度言葉の壁を乗り越え、フィーリングで一緒に居れるようになり、よく言えば空気のような存在になりつつありますが、最近強く感じることがあります。それは、子育てについてです。旦那の子育てというより、日本とオーストラリアの子育ての違いでしょうか…。

去年のお盆に子どもたちと私だけで帰国し(旦那は仕事の関係でいっしょに帰れませんでした)、お墓参りをして来ました。その時、兄と弟家族も勢揃いして、賑やかな顔会わせとなりました。兄には3人子どもがいて、弟には2人います。子どもたちの交流のためにも、兄の所に3泊、弟の所にも3泊させてもらいましたが、そこで、兄や弟のお嫁さんや自分たちの子どもに対する接し方に“あれ?”と感じたのです。上手く表現できませんが、とにかく“上から目線”なのです。例えば、夜は酔っ払って帰って来たと思えば、お嫁さんや子どもやを気遣う言葉や会話もなく、せめて子どもたちの寝顔だけでも見に行けばいいのに、それもなし。お嫁さんから「学校で○×があって…」と話かけられると、「今、会社で新しいプロジェクトが進行中なんだ。それで頭がいっぱいだから、そっちはお前に任せる」の返答。まさか、いつもこうじゃないだろうって思って、日中にお嫁さんたちに聞いてみると、「いつものこと…」と言う。“これっていいのだろうか”って思う反面、“オーストラリアの旦那たちはそこまでひどくない”と思いました。

弟の所にお世話になった後半3泊の時、兄弟だから言えると思い「あなた、随分偉そうよ」って言ってやりました。客観的に、一番上にお父さんがいて、その下にお母さん、そして子供たちといった序列がなんとなく見えてしまったからです。オーストラリアでは、私の知っている限り、少なくともお父さんとお母さんは同じ位置にいますよね?そんな構図を見せられ、最近は子育てにはオーストラリア流のお父さんの方がいいのかな、と感じています。そう考えると、夫婦喧嘩も程々にしようと思う、今日この頃です。


<投稿者>匿名希望 女性/40歳