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あなたの言いたいこと
Vol.150/2010/7

今号は、パースで一緒に暮らすお孫さんについての投稿です。

「勇気の源」

今年のパースは非常に雨が少ない気がします。晴れる日が多く、それによって朝晩の気温が急激に下がり、パースでは珍しい氷点下も記録していますね。こういった投稿というものには初挑戦です。なので、もし掲載して頂くことになれば、それは本当に幸運なことですね。感謝致します。

先日、孫が庭で小さなカタツムリを見つけました。本当に小さく、殻の横幅は1cmにも満たないカタツムリです。簡単に見逃してしまうほどのサイズでしたが、なぜか孫の目には止まったのでしょう。私は夫を亡くし、娘夫婦が暮らすパースに移り住んでからもう3年以上が経ちますが、趣味として家庭菜園を楽しんでいます。実は、この時期のカタツムリにはちょっと困っていました。菜っ葉の類はみんな食べられてしまうのです。なので、孫のカタツムリを見た時、「あれ、もう」とあきれました。でも、手のひらの上のカタツムリを覗き込むようにして見ている孫の仕草がいとおしく、しばらく観察していました。すると、殻が一瞬左右に振れ、驚いた孫は手のひらを返してしまいました。慌てた孫に声を掛け、拾い上げたカタツムリを再び手のひらに乗せてあげました。殻の一部がほんの少し欠けてしまったことに怪訝そうな顔をした孫は、首を左右に振りながらまた眺め始めました。すると、ゆっくりとゆっくりと殻から2本の角がでてきたのです。孫の目は見開かれ、驚きで全身が固まっていました。孫にとってカタツムリとの初対面だったのです。

もう直ぐ2歳になる孫。孫にはいつも教えられます。忘れていたことを思い出させてくれます。その晩は、「ババ!」と言われながら手を引かれ、お風呂に一緒に入り、♪で〜んでん、む〜しむし、かーたつむり♪と大きな声で一緒に歌いました。孫が嫁に行くまでは元気に生きよう、と改めて誓った一日でした。

<投稿者>大森 女性/69歳