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あなたの言いたいこと
Vol.145/2010/2

今回は、オーストラリア在住18年の日本人男性の方からの投稿です。

『海外にいるから見えること』

オーストラリアに来て、今年で18年目になります。と言っても、20歳の時からなので、今年で38歳です。今は、現地の会社で働いています。自分以外は、全員ローカルです。3歳の時にパースに来た中国人が同じ部署にいますが、彼もほぼローカルです。結構大きな会社なので、子どもの頃に移民してきた人も多いと思いますが、自分のような者は他にいないと思います。
最近、つくづく日本のことを思い返します。日本はいい国だな…、と。もちろん、オーストラリアに住みたくてパースにいるので、オーストラリアもいい国です。しかし、非現実になってしまった日本の生活から大分遠ざかっているためか、日本という国のアドバンテージがよく見えてきます。
日本において、社会人の経験は2年ほどありました。高校1年からのアルバイトをいれると、約5年は給料というものを手にしていました。今でも、仕事場でのいろいろな判断基準は、その5年間で学んだ事を基にしています。例えば、スタッフ同士での人間関係。知っての通り、例えばこちらでは、上司に対してもファーストネームで声をかけます。“ハイ、ジョン!”といった感じで。でも、そこは『親しき仲にも礼儀あり』と思っているので、自分は敬意を込めた挨拶を心掛けています。ポケットに手を入れて、通りすがりざまの挨拶なんて、もっての他だと思っています。しかし、毎日繰り返される日常の中で、ポケットから手を出し、いちいち静止して、心を込めた“ハイ、ジョン!”をやっていると、“はて、自分は何してんだ?”って思ってしまうものです。周りの皆は、全くそんなことはしてないので。
そこで、共に長所と言えるオーストラリアのフレンドリーさと、日本の敬意の計らい方は、ミックスできるのでしょうか?『良い所取り』はできるのか、といったところです。誤解を招かないように言っておきますが、オーストラリア人は上司や目上の人に敬意を払っていないなんて言ってませんので…。『There should be courtesy even between close friends』ってことわざがあることも知っています。


<投稿者>近藤 男性/38歳