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あなたの言いたいこと
Vol.142/2009/11

第1回目の投稿へのご意見、ご感想、ありがとうございました。今回は、日本からの投稿です。

『今しかできないこと』

会社を定年退職し、妻と2人で千葉に暮らしています。この度、次男がワーキングホリデービザでパースにいるということで、1週間ばかり息子に会いにパースへ行ってきました。それにしても、パースは素晴らしい所ですね。こんな街で、海外生活を体験できる息子は、なんて羨ましいんだろうと思いました。実は、そんな息子とじっくり向かい合って、ゆっくり話す機会も久々でした。仕事に追われ、気が付いたら定年。息子も親元から離れ、自立。なんだか当初は、親子の空白の月日を埋めるような旅となりそうでした。
しかし、そんな息子との楽しい時間は長くは続きませんでした。3人で外食をしていた時のことです。妻が「いろいろ観光した?」と聞けば、「まだ」と。「限られた時間だからこそ挑戦できることはいっぱいあるな!」と今度は私が尋ねると「そうだけど…」と気の乗らない返事が返ってきました。妻が話題を変え「日本に帰ったらどうするの?」の質問に、「まだ考えていない」と。「オーストラリアにいる間は?」と聞くと「決めてないけど…」とポツリ。その後、よくよく聞いてみると、どうやらお金を貯めるために季節労働をしようと考えているとのことでした。具体的には農園に行き、果物などの収穫の仕事をすると言っていました。
妻には内緒ですが、実はその晩、本当に寝付けませんでした。息子の返答が全て曖昧なことや、パースまで来て、お金を貯める手段が季節労働なのか、といった疑問が頭から離れなかったからです。確かに息子の人生、自分で決めて進むのならそれも良しですが、文化も違えば言葉も違う異国で、もっと他にできることがあるはずだと思うのです。お金がなければ生活はできませんが、最低限のモノがあれば生きてはいけます。お金で買えないものが、ここパースにはあると思うのです。
定年退職をして、やっと自分も周り(息子)がみえるようになったのでしょうか…。“今更何を言うんだよ”と息子に反発されそうですが、ただ一度しかない人生を悔いのないように、今を生きてほしいのです。月並みですが、ただただそう思うのです。


<投稿者>ペンネーム:親バカ爺 男性/65歳