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2003年3月17日、米国、英国、スペインが国連での新決議案を取り下げ、米国ブッシュ大統領の最後通告後、3月20日の米英軍イラク攻撃開始から3週間が経った。

そして、4月8日、なんと米軍の攻撃がジャーナリストへ飛び火した。イラクの首都バグダッドで多数の外国報道陣が宿泊するパレスチナホテルが米軍戦車の砲撃を受け、ジャーナリスト2人が死亡。しかし、その事態に米国は、「自衛権の行使」と述べ、攻撃の正当性を主張。イラク側が民間施設を軍事目的に利用し、ホテルにいた何者かが米軍に攻撃を仕掛けたため応戦したと釈明した。

正確に、あるがままを伝えるためには自分の命を投げ打ってまでも信念を貫き通そうとしている人達に、利権争奪といった私利私欲を乗せた砲弾が直撃した。少しでも婉曲無く、オンタイムで生きた情報を伝達しようとしている彼らジャーナリスト達の使命は、会社やその他社会のしがらみといったケチなものからではなく、"真意"からのものである。その"真意"をボタン一つでねじ伏せた行為に、ただ単に腹が立った。

伸ばし放題の鼻毛を無造作に手の甲で拭い、$1.30で買った新聞の昨日までの戦況をあたかも自分の情報のように得意げに他の人に話す光景に、以前から疑問を感じて止まない。その情報はどのようにして、どれだけの労力を費やし、「あなた」の元にたどり着いているのか、今まで考えたことはあるのだろうかと問い質したくなる。そういう人(あなた)に限って「彼らもそれが商売だろ!代償として$1.30を払っているじゃないか!!」と突っぱねそうだが、「あなた」の得たその情報は、命を張った"真意"が運んでくれたものなのだと付言したい。

私もジャーナリストの雑輩として、亡くなられたジャーナリストお二人の方に心からご冥福をお祈り致します。

パースエクスプレス編集長
今城 康雄
2003年4月9日