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ドロップアウトの達人 Vol. 67
 

 先頃、地震予知連絡会から発表された東京に直下型地震 が起きた場合のシュミレーションは、かなり現実的な “予言”に属する気がします。

その“予言”によりますと、
1.地震は今後40年以内に起きる可能性が高い。
2.その場合の被害は、冬の平日の夕方6時前後が一番甚大で、建物の崩壊などの1次災害、火災などの2次災害を合わせると少なくとも12万人が死亡し、100万人以上が住む家を失う。
3.その場合、政府などの国家の中枢機関は、立川市にある昭和公園に移る(この情報は親しい友達からもたらされました)。

 東京の人口が1200万人として死亡12万人という数字は、東京に住む人のうち100人に1人が亡くなることを意味します。うーん、暗い予言ですね。ついでに付け加えますと、バブル期に成功した人達の思考回路というものは、こういう情報を目にした途端、「よっしゃあ、昭和の森だ」とすぐに周辺の不動産を買いあさることだけに集中するようです。

 次の予言に移ります。
 アメリカ航空宇宙局(NASA)が昨年12月23日に“予言”したところによりますと、地球に衝突するかもしれない小惑星があることがわかりました。大きさは400メートルで、名前は「2004MN4」。NASAによると、2004MN4の衝突の危険度についてはトリノスケールで「2」(11段階中下から3番目)なのだそうです。具体的な日にちは2029年4月13日で、地球に衝突する確率はわかりやすくいうと「300分の1」だそうです。
  衝突の際のエネルギーは広島型原爆の10万倍にあたる1600メガトンで、陸地に衝突した場合、大都市とその周辺を壊滅させ、海に落ちた場合大津波を引き起こすだろうと、“予言”されています。うーん、これまた暗い予言ですね。  
  日本の地震や火事でしたら、人里離れた山の中に家を建てるとか、パースでこのまま40年間不法滞在してしまうとか、なんとか避ける為の考えも浮かぶのですが、小惑星が衝突してくるとなると、これはもうお手上げです。10万年前に恐竜が絶滅して長い氷河期に入ったきっかけも、小惑星が地球に衝突した為に起きた天候異変と聞いています。
 それでも往生際の悪い人は、今のうちから地球上の全然離れた場所にいくつもシェルターを建てたりするのでしょうか?そこでは2、3年太陽が隠れてしまっても野菜が食べられるよう人工の照射機が用意され、自家発電装置や3年分の酸素ボンベなども並べられるのでしょうか。

  1899年にもこういった予言があったようです。1899年の終わりに金星が地球に激突するとヨーロッパで流言が飛び交い、真に受けた一部の人たちはその“予言”された前日までに、すべてのお金を使い切ってしまったそうです。結果は皆さんがご存知の通り、金星はぶつかりませんでした。
  バブル期に成功した人なら、またまたこう考えるのでしょう。「そうだ、南極や、北極、アフリカや中国の山奥にも一応土地を買っておこう」

 “予言”を信じて右往左往しても1日、信じないで右往左往しなくても1日です。でもどうしても信じてしまうのでしたら、“予言”というものを、日常のぶったるんだ気持ちを引き締めるための道具として、使ってみてはいかがですか?

 あとはあなた自身で考えてみて下さい。

回答ZORRO

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