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シリーズ連載第2弾 「父親な俺様」

 

其の3 食べ物万歳!


 実は先日、数10年知らなかった実家の事実を知らされた。それは「母親は納豆が、匂いを嗅ぐのも嫌というくらい大嫌いだった」ということである。実に驚かされた。何しろ、子供の頃からずーっと実家の朝食には常に納豆が、あたかも古い地蔵堂が長い年月をかけて辺りの風景と同化しているかの如く、ひっそりとなお且つ力強くテーブルのどこかに鎮座していたからだ。

そこで「じゃあ、お父さんはタマゴ納豆にしようっと」「じゃあ、ボクはネギと鮭とマヨネーズ納豆!」「...おまえ、よくそんなの食べれるなぁ」といった会話が当然の様に毎朝交わされてきた訳だ。しかも、死ぬほど納豆が嫌いな人の前で。これは、とにかく俺様の母上が偉かった。父親が好きなのはしょうがないが、子供達にも色々な食べ物に対する偏見を与えないようにという考えだったそうで、全く頭が下がる。有難う母上。

今のところ、ウチの子供は基本的には結構何でもよく食べる。でもねぇ、困ったことに子供の嗜好って、味覚だけじゃなくて気分にも左右されるだよねー。ただ、現在2歳半の長男の恵蘭にとっては、俺様が食べている物は何でも美味しそうに見えるらしいので、俺が好んで食べてる物はほとんど何でも食べるよ。だから、納豆も蒸しアワビもオリーブも、鴨肉もエスカルゴも生のセロリも美味しく食べているし、ローストビーフにはサンドライトマト入り粒マスタードが欠かせない。

確かに子供は、小さい時はとりあえず何でも食べるし、だからといって絶対に好き嫌いが出ないとは言えない。しかし、子供の頃から贅沢ではなくてもバラエティーに富んだ豊かな食生活を送っている子供は、大きくなってもちゃんと味のわかる人間に育つはずだと俺様は信じている。有名な料理人で、且つ食通で有名なある人の家庭では、赤ちゃんにでさえ離乳食の代わりにやわらかくした本格フランス料理を、しかもフルコースで食べさせているそうだ。いや、別にそこまでしようとは思わないが、何せ三つ子の魂百までだからな。

健康に良いかどうかは別として、子供の頃から色々な物を食べ慣れていれば、将来は色々な種類の食物を受け入れる下地が出来るって訳だ。実はどんな料理でも楽しむことが出来るってことは、どこの土地に住んでも困らないってことなんだよ。その土地の風土や習慣を理解するためには、うまかろうがまずかろうが何でもそれなりに受け入れることが出来るってのが一番大切なんじゃないか?とにかく小難しいことはさて置き、何でも食えた方が人生は格段に楽しいだろう。

ところで、最近は偏食どころか朝食すら食べない子供が多いという話をよく聞く。朝食を食べないとどうなるかというと、当然朝から集中力も続かないし、どうやっても3時間目アタリでヘタってしまう。しかも、ヒドイ母親は「だって、私だってダイエットのために朝は食べないようにしてるんですから。そっちの方が健康ですよ」とか平気で言うらしい。実は、最も恐ろしいのは馬鹿な親がこういう間違った常識を子供に植え付けることなのだが、とにかく子供の成長期には脳や体を発達させるために良質の栄養が不可欠なのに、オマエは子供の成長と自分のウエストラインとどっちが大事なんだよ、大馬鹿者!

母親が全く朝食を作らないという生徒を受け持つある小学校教師は、見るに見かねて自腹でおにぎりを買って、こういう子供にこっそり食べさせたりしていると言っていたが、とにかくこういうバカな人間の犠牲になるのは、いつも子供達なんだよ。早く多くのバカな大人が、大切なことに気づいてくれることを祈る。



★いわゆる「頭が良くなる」と言われ、科学的にもある程度の根拠がある食べ物は納豆と魚だそうです。無駄な努力かもしれませんが、チャレンジする価値はありますね。ちなみに目の疲れをとる食品はブルーベリーやブラックカラントなんだそうです。お試しあれ。